難産の「星のやバリ」、稼働率60%から見えてきたゴール

プログラムの販売がスタート

 星野リゾートが2017年1月に開業したインドネシア・バリ島の「星のやバリ」が、11月から滞在プログラムの販売を始めた。第一弾の滞在プログラム「バリ舞踊美人滞在」。バリ舞踊のレッスンや鑑賞、スパや食事などを1日で楽しむウェルネスプログラム。滞在プログラムの販売は滞在の長期化につながり、稼働率の向上にもつながる。星のやバリは今後、2~3日のプログラムの開発などに力を入れる。

 星のやバリがあるバリ島中部のウブドは、バリ舞踊が盛んな地域であることから滞在プログラムに取り入れた。プログラムでは、バリ舞踊の講師の経験があるスタッフから1時間程レッスン受け10分ほどの振り付けを覚える。

 バリ舞踊は背筋を伸ばし、中腰の姿勢で、腕や肩も独特の形を作りながら踊る。このきれいな姿勢が滞在プログラムのコンセプトである美しさにつながるというわけだ。実際にやってみると、腕や太ももなど普段あまり使ったことのないところが筋肉痛になる。

 バリ舞踊のレッスンでは、最後に実際の衣装を身にまとい覚えたパートを踊る。バリ舞踊独特の豪華な衣装を着られるというのが、旅の思い出にもなりハイライトにもなる。

 夜はウブドの街に出て実際にプロの舞踊を鑑賞する。自分が踊ってみると鑑賞のポイントも変わってくる。バリ舞踊レッスンを軸に、「美」や「健康」などをテーマにした食事やスパなどを合わせ1日を過ごす。ただリラックスするだけはなく、「美しくなる」という違う切り口の滞在の魅力を提供するのがねらいの一つだ。

 星のやバリに限らず、星野リゾートが運営するリゾートは、その地域の文化などを取り入れた体験型の滞在プログラムが売りだ。この滞在プログラムを作り込むにはスタッフが地域の魅力を掘り起こし、それを詰め込んだ滞在プログラムを企画して、会議で検討を重ねブラッシュアップして販売にこぎ着ける。

 今回のバリ舞踊美人滞在について、星のやバリゼネラルマネージャーの廣瀬真人さんは「ホテルのスタッフが自発的にと言うよりはこちらで作った部分も多いので理想にはまだ」と話す。

 星のやバリではまだスタッフの会議をコンスタントに開催するところに至っておらず、道半ばといえる。ただ、今回の滞在プログラムのスタートによって「スタッフに星野リゾートの文化は醸成できており土壌はできている」と、リゾート自体の進化を自認する。

 星のやバリは17年1月に開業したが、リゾートの開発計画当初は2014年の開業を予定していた。だが、思うように工事が進まず3年遅れでやっと開業。星野佳路社長は「海外の工事は本当に大変だった」と話している。

 星のやバリは17年1月に開業したものの、ここまでは現地スタッフの教育やリゾートの運営体制を整えるのに時間がかかりここまで滞在プログラムを打ち出せずにいた。ここに来て第一弾の滞在プログラムの販売にこぎ着け、「滞在の演出、地域ならではの魅力を打ち出せるようになる」(廣瀬ゼネラルマネージャー)と話す。

 稼働率は80%を目標にしているが足元のは60%程度。17年9月に発生した火山の噴火で25%まで落ち込んだことを考えれば、戻っては来ているのだが目標には届いていないのが現状だ。

 稼働率を上げるためには滞在日数を伸ばすというのは一つの手。今後は、他のリゾートでも提供している横断的な企画である「脱デジタル滞在」のプログラムを開発し商品化する。

 また、星のやバリオリジナルの滞在プログラムも開発中。4月にはブームのヨガなどを取り入れた2泊3日のウェルネスプログラム「賢者の養生」を売り出すことを目指している。

 廣瀬ゼネラルマネージャーは「滞在プログラムが2~3できてくると、スタッフにとってもどこに向かっていくべきかゴールが見えてくる」と話す。

 難産の末に生まれた星のやバリが、いよいよ星のやらしさを発揮すべく本格稼働する。
森林浴ができるガゼボ

朝と夜、見晴らしの良いヨガガゼボでヨガが楽しめる

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ウブドはバリ舞踊のメッカ

ニュースイッチオリジナル

高屋 優理

高屋 優理
12月10日
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星野リゾートにとって、バリは海外では2軒目のリゾート。当初は海外初進出がバリの予定でしたが、工事が遅れ、2軒目となりました。まだ、企業として、海外でのリゾート運営のノウハウがあまり蓄積されていない中、現地の文化やビジネス慣習なども踏まえ、国内の他のリゾートと同等のサービス水準に引き上げようとしています。

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