パナソニックは“出戻り社員”を歓迎します!

企業の風土改革につなげる

 パナソニックは6日、一度は同社を退職した人材を「出戻りキャリア」として積極的に採用すると発表した。多様な人材を受け入れ、企業風土の改革につなげる。日本では一度退職すると、その企業に戻れないという固定観念が残る。そこでパナソニックは採用活動を通じ、退職した人も中途採用に応募できる点を説明する。退職時に連絡先を把握し、ダイレクトメールを送るなどして情報を発信する仕組みも構築する。

 代表取締役の樋口泰行専務執行役員は、かつて同社を退職した。日本マイクロソフトの会長・社長を務めるなどプロ経営者として経験を積み、2017年4月にパナソニックへ戻った。“出戻り社員”には、他社を経験して同社の良さや課題が分かるなどの強みがある。同社は中途採用を増やしており、18年度は15年度比2・4倍の約600人の見通し。
(日刊工業新聞2018年12月7日掲載)

樋口専務執行役員、好感度アップ大作戦中?!


 樋口泰行専務執行役員は、10月末に開催されたパナソニック100周年イベントで、「好感度アップ大作戦をしている」と、パナソニック復帰後の自身について語っていた。サントリーホールディングスの新浪剛史社長と大学院大学至善館創設者の野田智義理事長との討論での一幕だ。

 樋口専務執行役員は、古巣の米マイクロソフト復活を成し遂げたサティア・ナデラCEOについて、「素晴らしい人。クラウド事業に舵を切り、戦略性を持って、企業の傲慢なカルチャーを変えた」と称えつつ、「トランスフォーメーション(改革)たるや激しい」と語った。日本では、とても同じような事はできない。

 「日本では社員の腹落ちが必要だ」と樋口専務執行役員は語る。そこで、出てきたのが“好感度アップ大作戦”。「悪い人じゃない」、「敵じゃない」ことをアピールした。まず自分から歩み寄らなければ、日本では改革はできない。

 一方、人材育成については、「ポテンシャルの高い人向けの育成プログラムはあまり効果がない。やっぱり“修羅場”の経験が一番効く」と断言する。日本は人材育成費用が少ないわけではないが、人材育成が経営に組み込まれている海外とは差が出てしまう。

 ハーバード・ビジネススクールでともに学んだ新浪サントリーホールディングス社長は、パナソニックの次の100年に向けて、「企業が100年続くには、世界各地でパナソニックはどういう会社で、『あってよかったね』と思われる会社になってほしい。樋口さんは明るいし、おとぼけなところもあるから、ぜひ支えてほしい。きつい人だが、明るさに免じて許してやってほしい」とパナソニック社員らにお願いし、エールを送った。
(ニュースイッチより追加)

日刊工業新聞2018年12月7日

梶原 洵子

梶原 洵子
12月07日
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修羅場とは言えないまでも、一度退職して戻ってくる人には同じ会社に居続けるのとは違う経験があります。    

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