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外出用の“引きこもり器”が誰かの心を救うかもしれない

発掘!イグ・ノーベル賞 岐阜大学「MPS」
外出用の“引きこもり器”が誰かの心を救うかもしれない

MPSの外側(岐阜大提供)

 EC(電子商取引)と宅配が発達したとはいえ、引きこもりでも外に出ないといけない場面は残っている。岐阜大学の寺田和憲准教授は外出用引きこもり器「モバイルパーソナルスペース」(MPS)を開発する。MPSは外界と自分を分ける“殻”だ。六角形の壁で自分を囲い、カメラを通して外を見る。外界をAR(拡張現実)で上書きでき、見たい世界に直せる。

 MPSは中の人の頭の位置を検出し、殻の中心に収まるように移動する。利用者はMPSの中で歩くと、MPSも連動して動く仕組みだ。外からは自分の容姿を見られなくてすみ、外界はARで加工できる。寺田准教授は「社会で困難を抱えている人のハードルを下げたい」と説明する。現在のMPSは大きさのためドアを通れない。折り畳み機能を加える方針だ。

 見る・見られるの情報を制御できる。自身の感情が乏しいと思えば演出を加えたり、反対に表にしたくない感情は抑えられる。将来、他人からの視線や、学校などのトラウマとなっている対象を識別してARで書き換えることも可能になる。
日刊工業新聞2018年12月5日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
このサイズではたしかに外出は難しそう。外出したくてもさまざまな理由で外出できない人にとって、待望の技術かもしれません。

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