1万9000人削減、みずほFGは「稼ぐ力」を取り戻したのか

収益体質の改善進む、地銀と連携加速

坂井辰史社長(同社統合報告書より)
 みずほフィナンシャルグループ(FG)が収益体質の改善に向け構造改革を進める。人員の最適化や店舗の統廃合、コンサルティングなど非金利収支の拡大で稼ぐ力を取り戻そうとしている。2026年度末までに全従業員の2割強に当たる約1万9000人の削減を軸とする抜本的な構造改革を打ち出して1年。坂井辰史社長が「反転攻勢」を強めている。

 「さまざまな所で反転が見え始めている」。決算説明の場で坂井社長はこう強調した。18年4―9月期決算は、本業のもうけを示す実質業務純益が前年同期比20・9%増の2185億円(ETF関係損益を含む)で着地。前期の低迷を受けた反動との見方もできるが、構造改革の下支えもあり収益力のテコ入れは前進しているようだ。

 本部人員を営業などフロント業務へシフトする取り組みでは、現時点で18年度計画の6割強となる約400人を配置転換したほか、人員削減も同5割の350人に到達した。坂井社長は「来年度から後方業務の集約や効率化が本格化する」と強調した。一方で「(中計などの)戦略を実現するには人材確保も必要」と指摘し、「新機軸での採用や育成を進める」考えを示した。

 店舗の統廃合や銀行・信託・証券の共同店舗化では、本年度目標の19拠点に対し13拠点を実施。銀信証のワンストップサービスを提供するにあたり全国約10拠点で実証も始めた。信託では遺言代用型金銭信託や暦年贈与型金銭信託の代理店販売で地方銀行との連携を加速。足元で11行と代理店契約を結んでいる。

 資金投下の部分では注力分野に1兆8000億円のリスク資産を投下する計画を掲げており、現時点で7000億円を実施。高リスクだが利幅の取れるメザニン(融資と出資の中間に相当する金融手法)や不動産関連ビジネスに資金を重点配分している。今後も営業と審査部門の連携を強化し、案件検討の迅速化につなげる。

 来年度に新中期経営計画を始動するみずほFG。改革を収益体質の改善に確実に結びつけて、2メガバンクグループとの差を縮められるか。坂井社長の手腕が試されている。
(文=長塚崇寛)

日刊工業新聞2018年11月22日

関連する記事はこちら

特集