丸ノ内線新型車両「2000系」、走行試験でチャレンジすること
給電+蓄電池、全面展開も視野に
東京メトロは2019年2月から営業運転を始める地下鉄丸ノ内線新型車両「2000系」で、第三軌条からの給電と車載蓄電池によるハイブリッド電源走行試験を18年中に実施する。停電時の非常走行用に搭載した蓄電池に、ブレーキ作動時の回生エネルギーを蓄電し、加速時のパワーアシストに使う。試運転中の1編成のみに機能を試験導入し、電池の劣化度合いや省エネ効果などを確認。結果次第では全面展開も視野に入れる。
地下鉄は急加速、急減速を高頻度に繰り返すため、回生エネの有効活用は省エネ化の研究課題の一つ。リチウムイオン二次電池は、大電流の急速な充放電を繰り返すと、早期に劣化してしまうことから都市鉄道車両での実用化には課題も多い。
2000系には497ボルト・40アンぺア時の東芝製リチウム電池「SCiB」による蓄電システムを搭載。繰り返しの充放電に強い電池であり、回生エネの吸収と加速アシストにも活用できないか、費用対効果も含めて検証する。
列車運行本数の多い丸ノ内線は、前後列車間の距離が短い。このため回生エネも架線に相当する第三軌条を通じて、電車同士で比較的効率良く融通できている。
しかし、昼間の中野坂上―荻窪間では走行間隔が開き、回生エネを活用できない場面も多い。地上設備で回生吸収インバーターも併用するが、東京メトロの試算によると、今も5%以上のロスが発生しているという。
2000系は銀座線の最新車両「1000系」に続き、大規模災害に備えて非常走行電源装置を搭載した。停電時に駅間で停車した場合に、最寄り駅まで自立走行して乗客を避難させることができる。地上の車両基地に回送する際に急勾配箇所を通過するため、1000系の2倍の容量の蓄電池を積んだ。
地下鉄は急加速、急減速を高頻度に繰り返すため、回生エネの有効活用は省エネ化の研究課題の一つ。リチウムイオン二次電池は、大電流の急速な充放電を繰り返すと、早期に劣化してしまうことから都市鉄道車両での実用化には課題も多い。
2000系には497ボルト・40アンぺア時の東芝製リチウム電池「SCiB」による蓄電システムを搭載。繰り返しの充放電に強い電池であり、回生エネの吸収と加速アシストにも活用できないか、費用対効果も含めて検証する。
列車運行本数の多い丸ノ内線は、前後列車間の距離が短い。このため回生エネも架線に相当する第三軌条を通じて、電車同士で比較的効率良く融通できている。
しかし、昼間の中野坂上―荻窪間では走行間隔が開き、回生エネを活用できない場面も多い。地上設備で回生吸収インバーターも併用するが、東京メトロの試算によると、今も5%以上のロスが発生しているという。
2000系は銀座線の最新車両「1000系」に続き、大規模災害に備えて非常走行電源装置を搭載した。停電時に駅間で停車した場合に、最寄り駅まで自立走行して乗客を避難させることができる。地上の車両基地に回送する際に急勾配箇所を通過するため、1000系の2倍の容量の蓄電池を積んだ。
日刊工業新聞2018年10月24日