パナソニックが現金不要のオフィス向け無人販売、その狙いは?

 パナソニックは三菱地所やITベンチャーのリキッド(東京都千代田区)と共同で、現金が不要なオフィス向け無人販売の実証試験を近く始める。指紋認証決済と無線識別(RFID)タグを使う。利用者は事前に指紋と支払い方法を登録する。冷蔵庫などからRFIDタグを貼った食料品を取り出すと、自動的に支払いが済む。電子決済の普及を見据え、将来はコンビニエンスストアなど少額決済が多い店舗の効率的な運用に役立てる。

 オフィスに冷蔵庫やショーケースなどを置いて無人販売する店舗は「オフィスコンビニ」と呼ばれる。冷蔵庫やショーケースの食料品を利用者が取り出し、料金箱に自ら代金を支払う仕組み。パナソニックはこのオフィスコンビニに電子決済を導入し、現金が不要なシステムを試験運用する。現金を出し入れする手間を省け、現金なしで気軽に商品を購入できる。事業者は在庫管理を効率化できる。

 実証は三菱地所が所有する東京のビルを使い、指紋認証技術を持つリキッドと連携して行う。パナソニックはIoT(モノのインターネット)対応の冷蔵庫やショーケースを提供する。IoT冷蔵庫などは、タグを付けた商品が庫内からなくなると、購入したと判別する。

 日本では野菜の無人販売店やオフィスコンビニのように、利用者が料金箱に代金を入れる仕組みがある。ただ電子決算の普及に伴い、現金を持ち歩かない人が増え、少額決算が多いコンビニなどの使い勝手が悪くなる。

 パナソニックは食品工場から物流、小売店までサプライチェーン全体をRFIDタグで効率化する仕組みを目指している。消費期限が近づくと、購入者のスマートフォンに知らせるサービスも可能になる。今回はサプライチェーンのうち川下の小売り現場を実証対象とした。

日刊工業新聞2018年10月24日

  

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