医療ドラマにも提供していた白衣の卸業者はなぜ倒産した?

高浜ユニフォーム、創業者死去で暗転。人材流出で売上減少止まらず

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一時は看護師用やドクター用白衣などが7割を占める(写真はイメージ)
 高浜ユニフォームは、1952年3月創業、67年6月に法人改組した老舗の医療用白衣を中心としたユニホーム全般を扱う卸業者。取扱品は看護師用やドクター用白衣などが7割を占めており、そのほか事務制服や靴下、シューズ、作業服も販売した。医療を題材にしたドラマや映画などに衣装協力をするなど業界内で一定の知名度を有し、大手商社やリネンサプライ業者など約300社に営業基盤を確立。2006年5月期には年売上高約15億4900万円を計上していた。

 しかし、98年頃から会長職に退き、代表の一人として名を連ねていた創業者が2010年に死去したことで状況は一変する。相続が発生した結果、娘婿の高濱忠夫氏が代表取締役に就任した。

 これにより、創業一族ではないものの、95年7月より代表取締役社長を務めていた人物が退任するとともに従業員6人が退職する事態にまで発展した。引き継ぎが十分になされず、社内にも混乱が生じて売り上げが大幅に減少した。

 これを打開すべく、2011年11月に異業種業界出身の営業部長を引き入れて新規取引の拡大を図っていた。12年には本社機能も移転し、積極的な営業を進めていたものの、年商は減少傾向となった。18年5月期の年売上高は約4億2400万円にまでダウンしていた。

 再建を目指して金融機関と協議し、元本の支払い猶予をしてもらうなどの支援を受けた。しかし、18年6月支払いの手形の資金を用意できなかったことから事業の継続を断念し、自己破産を申し立てた。

 業界内で一定の地位を築いていたものの、創業者が亡くなり大黒柱を失ったことで企業の経営資源となる「ヒト」の流出を招いた。与信管理の要点は「ヒト・モノ・カネ」と言われるが、事業承継の難しさに加えて「ヒト」の重要性を再認識させられる倒産となった。
(文=帝国データバンク情報部)

<企業情報>
(株)高浜ユニフォーム
住所:大阪市東成区中本2-1-13
代表:高濱忠夫氏
資本金:1000万円
年売上高:約4億2400万円(18年5月期)
負債:約4億4700万円

日刊工業新聞2018年10月23日

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