人工知能の発達で社会がどこまで変わるのか?日立が対話できる基礎技術を確立

今後10―20年で3分の2の仕事がソフトウエアに置き換わる?

開発する人型ロボット「EMIEW2」でも対話能力を向上

小説家に挑戦するAI-作家の書いた作品と区別がつかない!?


 小説家に挑戦するAIも存在する。公立はこだて未来大学の松原仁教授は短編小説「ショートショート」を書くAIを開発する。「それなりのショートショートを書けるようになってきた。理系の学生ではAIが書いた作品と作家の書いた作品の区別がつかないこともある」という。AIの小説が人を楽しませる日は遠くないかもしれない。

 AIが人間と同じように思考するのは難しく、人間はAI化された仕事に創造性を感じにくい。人間は仕事をAIに取って代わられたと思うよりも仕事が効率的になったと感じる程度だ。その裏ではAIが持ち前の計算力と忍耐力で着々と活動領域を広げている。

 人工知能症候群−「機械」には知性感じにくい

 とある居酒屋で同窓会が開かれた。営業職Aと人工知能研究者Bが再会。聞こえてくるのは技術革新による失業への心配だ。こっそり耳をそばだててみると―。

 A 人工知能って、いつできるんだ?近い将来、人間の仕事を奪うって聞いたぞ。
 B うーん。できてるともないとも言えるよ。電卓に知性は感じる?通販サイトの推薦機能や検索サイトの予測変換機能も知性は感じないよね。

 A あれは驚いたけどしょせんプログラムだよ。できることは推薦だけ、変換予測だけだ。
 B そうだね。何でも自由に考えられるようなAIはまだまだ手が届かないんだ。将棋や予測など、考える範囲を限定したAIは君よりも優れたモノもできているよ。

 A 思考が限定って、それは計算プログラムだろ。知能と言えるのか。
 B そうだね。それならそもそも君は知能って何だと思う?知的生命体と生命体の境界ってどこだと思う?

 A イルカやクジラは知的生命体だよ。犬やカラスもそうかな。虫やトカゲは知性を感じない。
 B なら、知性を持ったロボットと知的に振る舞う機械の境界は?

 A それは難しいな。
 B 虫やトカゲなら同じ振る舞いをするAIを作れるよ。犬を作ったら知能と認めてくれる?

 A サルができても認められないな。しょせんプログラムの塊だろ。
 B うーん。そうなんだよね。知性を感じるハードルが生き物より人工物の方が高いよね。たぶん人間以上でないと知的と感
じないかもしれないよ。なにより機械にできることに知性を感じにくい。人工知能症候群って言うんだけど、電卓も予測変換も実現すると知的な仕事でなくなってしまうんだ。人間を超えるAIが急にできることはなくて、実際は知的活動が徐々にAI化されていく。もしも君がAIに職を奪われたとしたら、人間を超える知能ができたと驚くよりも、自分はつまらない仕事をしていたと思ってしまうかもしれないね。
 (文=小寺貴之)

日刊工業新聞2015年03月18日深層断面/07月23日 科学技術・大学面

COMMENT

政年佐貴惠
名古屋支社編集部
記者

人工知能の発達と社会への活用が加速している。日立も同分野の研究開発に多額の投資をすると報道された。IoTが産業の大きな要素になりつつある今、企業間の競争はさらに激化するだろう。そのうち、人工知能が入っていなければビジネス競争で勝てないなんていう時代が来るかも・・・?

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