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介護食品をもっとおいしく。味の素や日清オイリオが独自ノウハウ注入

一般食品で培った粉末スープや油脂技術を活用。他社が参入しにくい市場作る
 高齢者の増加で拡大する介護食品市場向けに、味の素と日清オイリオグループが相次いで新商品を投入する。味の素はメディミルスープの「和風みそ豆乳仕立て」を8月21日、日清オイリオは水分補給用「あっ!というまゼリー」を同24日にそれぞれ発売する。味の素の商品は粉末スープ、日清オイリオの商品は油脂で培った技術がベース。一般商品で築いた製品ノウハウを介護食品開発に活用する。

 味の素の和風みそ豆乳仕立ては100ミリリットルの湯に溶かすだけで、1杯でエネルギー100キロカロリー、たんぱく質5・3グラム、鉄1・3ミリグラム、亜鉛1・9ミリグラムなどを摂取できる。高齢者は運動不足のため筋肉量が落ちて寝たきりになることが多いが、筋肉のもとになる分岐鎖アミノ酸のBCAAやロイシンも1・7グラム以上、配合。10袋入りで、1袋分の消費税込み価格は150円前後を想定している。和風みそ豆乳のほかにコーンクリーム、じゃがいもポタージュも発売済みで、洋風メニューに和風が加わったことになる。

 和風みそ豆乳仕立てでは味の決め手に、ほんだしに使用しているのと同じかつおぶしを使用。さらにコクのある味わいを出すため、クノールブランドで培ったスープ製造技術を活用している。介護食の栄養補助食品は食事のほかのプラス1品で提供されることが多いが同商品はみそ汁やスープなど主菜の形で提供できる利点がある。

 日清オイリオのあっ!というまゼリーも、油脂などのノウハウを生かした商品だ。介護高齢者が飲み込みやすいようトロミ剤を使うと、口の中でべたつき感が出るのが難点だが、新商品は水や茶に混ぜて加熱・冷却することなく、べたつきのない水分補給ゼリーをつくれる。グループホームなどの高齢者施設で加熱・冷却がない分、作業時間を短縮できるほか、冷たい飲み物から温かい飲み物まで好みや気分に合わせて利用できる。スティック25本入りの商品が消費税抜き価格750円。

 介護食品は高齢者が利用者になるので、製品開発に独特のノウハウが必要になる。逆に言えば、他社への参入障壁にもなる。味の素も日清オイリオも得意技術を生かすことで差別化を図る。
日刊工業新聞2015年07月23日 ヘルスケア面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
「食品」をどこまで「医薬品」に近づけるか、結構さじ加減が難しい気もする。

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