気象庁が初めて一般公開した技術開発の方向性、その中身は?

AIによる観測データの品質管理など

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6月に運用を開始するスパコン
 気象庁は気候変動で深刻化が懸念される気象災害や少子高齢化などの社会情勢の変化に対応するため、スーパーコンピューターや人工知能(AI)などの最新技術を取り込む。防災対応の強化などに向けて今後の技術開発の方向性と目標をまとめた「2030年に向けた数値予報技術開発重点計画」に盛り込んだ。

 豪雨防災、台風防災、社会経済活動への貢献、温暖化への適応策の四つを重点目標に掲げた。台風防災では3日先までの進路予測を現状の翌日予測の誤差程度にし、広域避難に十分な時間の確保を目指す。また、製造や流通といった企業活動に役立つ、冷夏や暖冬などの長期予測を現状の1カ月先から3カ月先まで伸ばす。

 気象庁がこうした技術開発の方向性を一般に公表するのは初めてで、他機関との連携を加速する。目標とする予測精度の実現に向け、大学や他の研究機関と連携を強化し、AIのディープラーニング(深層学習)を使った観測データの品質管理などを進める。現在AIの活用は、数値予報結果の天気予報への翻訳などにとどまる。

日刊工業新聞2018年10月8日

COMMENT

葭本隆太
デジタルメディア局
ニュースイッチ編集長

スーパーコンピュータの性能向上などにより、中長期の天気予報精度はこの15年で30%改善したと聞きます。AIの活用によりさらに精度が向上し、特に大規模災害による被害の抑制につながるよう期待したいところです。

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