ニュースイッチ

物流倉庫の火災を防ぐ"燃えない"ベルト

フタハシ技研、「需要がかなりある」
物流倉庫の火災を防ぐ"燃えない"ベルト

転倒防止用の不燃ベルトを開発

 フタハシ技研(大阪市鶴見区、二橋貞之社長、06・6913・0284)は、大手企業向けに物流倉庫内の設備や作業環境などを考慮したレイアウトの提案・施行を行っている。中でも、薬品や可燃性の危険物を収納する「危険物倉庫専用ラック」といった棚や収納に関わる補助部品に特化した商品をメーンに取り扱う。

 同社が新たに開発した「ブリッジーズベルト」は、危険物などを収納する物流倉庫で活躍する。地震発生時など、一斗缶やガスボンベなどの転倒防止を目的としたベルトで、実用新案を取得。同製品には、不燃材として国土交通省に認定されている不燃ターポリンを使用している。国内でも不燃ベルトは珍しいという。

 不燃材には、不燃・準不燃・難燃の3段階がある。ガスバーナーの炎を当てる試験で、燃えない・変形しない・有毒な煙などを発生しない、という3条件を20分間満たしたものが「不燃」にあたる。同ベルトは2月から研究を重ねて5月に製品化した。規格は幅4センチ×長さ500センチメートル、販売価格は消費税抜きで1本2万円。

 可燃物を取り扱う企業には、建築構造物や土木構造物などの構造計算の概要、仮定条件、計算式、計算結果などをまとめた「構造計算書」の消防署への提出が義務付けられている。同計算書の提出について、二橋社長は「消防法を考慮した不燃材を使用したものを選定することが重要だ」と説明する。

 「構造計算書の提出義務を知らない企業も多く、需要がかなりある」(二橋社長)とし、実際に企業が困った事例などを参考にして同製品を開発した。

(文=大阪・新庄悠)
日刊工業新聞2018年9月26日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
販売目標は、2018年度で2000本。要望があればロット販売にも対応する。今後は転倒防止以外の用途としても展開を予定。販売対象も民間企業だけでなく、公共関連も視野に入れる。二橋社長は「災害救助にあたる自衛隊や火災現場での立ち入り禁止テープ向けなどに提案していく」と、新たな市場開拓に取り組む構え。(大阪・新庄悠)

編集部のおすすめ