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AGC、抗体医薬などのバイオ医薬品を日本で受託製造へ

千葉工場に設備新設
 AGCは20日、動物細胞を使ったバイオ医薬品開発・製造受託設備を千葉工場(千葉県市原市)に新設すると発表した。現在、同工場は微生物を使ったバイオ医薬品生産を手がける。動物細胞に対応した設備を新たに導入することで、微生物から作るのが難しい、より複雑なバイオ医薬品も作れるようにする。設備の稼働は2019年7―9月期を予定。設備投資額は開示していない。

 使い捨て容器を使用したシングルユース仕様の動物細胞培養槽を千葉工場に導入する。500リットルと2000リットルの培養槽を1基ずつ設置する計画だ。

 同社は17年にバイオ医薬品製造大手のCMCバイオロジックス(米ワシントン州)を買収し、動物細胞を使ったバイオ医薬品開発・製造受託事業に本格参入した。

 現在は米国やデンマークの拠点で動物細胞に対応しており、千葉が加わることで生産能力は約4万5000リットルに拡大する。
日刊工業新聞 9月21日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
バイオ医薬品は、目的のたんぱく質を宿主細胞に生産させ、これを抽出して作ります。同社資料によると、動物細胞を宿主にした時、生産できるたんぱく質の分子量は10万以上。分子量約15万とされる抗体医薬も製造できます。抗体医薬は、特定の標的を狙い撃ちにして効果を発揮する医薬品として期待されています。

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