一人勝ちのセブンにコンビニ各社どう挑む

 コンビニエンスストア業界は合併などを経て、全国約5万5000店舗のうち9割超がセブン―イレブン、ファミリーマート、ローソンの3チェーンとなっている。中でも2万店超を有するセブン―イレブンは、1店舗当たりの1日の売上高で他社に10万円以上の差をつけるなど、独り勝ちの状態。この状況にライバルは尖(とが)った商品や店舗づくりで脱同質化を図り、セブンの独走を阻もうとしている。個性でセブンの勢いを止めることは出来るか、取り組みを追った。

実験拠点に


 「(ナチュラルローソンだけでなく通常の)ローソンでも売れないか」―。ローソンが本社で開いた健康志向型業態「ナチュラルローソン(NL)」の新商品試食会。竹増貞信社長は商品担当者に何度も呼びかけた。

 ローソンは2001年に、健康や美容に関心が高い女性をターゲットにした商品を集めたNL店舗の展開を始めた。拡大戦略を描いていた時期もあるが、現在の店舗数は140店舗程度に落ち着いており、出店地域も首都圏に限定している。店舗数の拡大よりも、地域限定品など特徴ある商品の販売の“実験拠点”としての色合いを強めている。NLの商品担当者は海外の流行などをきめ細かく追い、商品の開発や発掘に生かしている。

“個店経営”


 カウンターコーヒー、スムージー、サラダチキン―。コンビニ業界ではヒット商品が出ると、他社が追随する流れが目立つ。「3社ともそれほど大きな違いはない。没個性的になっている」。ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)の高柳浩二社長はこう指摘する。

 一方で高柳社長は「あと数年経つと、各社とも『こういうコンビニ』という個性が出てくるのではないか。すでに変わりつつある」と話す。ファミマにとって転機となったのは、17年のドンキホーテホールディングスとユニー・ファミマHDの資本業務提携だという。6月にドン・キホーテとの共同店舗の出店を始めた。「個店経営」を掲げるドン・キホーテの品ぞろえや運営方法を取り入れ、売り上げを伸ばしている。

相談窓口設置


 ローソンは8月、介護と栄養に関する相談窓口や、調剤薬局を併設した店舗を都内に開いた。健康などに関するイベントスペースを設け、高齢者らの来店に結びつける。ネットでは難しい実店舗ならではの強みを生かす狙いだ。

 ただこうした取り組みを全店に展開するのは困難だ。高柳ユニー・ファミマHD社長は「地域性と均一性の両面を追い求めないといけない」と話す。

日刊工業新聞2018年9月20日

平川 透

平川 透
09月20日
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セブンイレブンと全く同じことをすれば、日の店舗売上高10万円の差が縮まるのではないかと思ったのですが、そう単純にはいかないものなのでしょうね。

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