「地図アプリ×リアルイベント」山や海で地方創生の新ツールに

凸版印刷や大日本印刷

 印刷大手2社が、スマートフォン用アプリケーション(応用ソフト)を使った地方創生事業を加速している。凸版印刷が山を、大日本印刷は海をターゲットにした新たなサービスや機能を相次ぎ打ち出した。スマホユーザーが手軽に情報を受け取れるアプリを使った自治体のPR戦略が今後さらに過熱しそうだ。

 凸版印刷は登山情報アプリの開発を手がけるヤマップ(福岡市博多区)と共同で、山に関する観光イベントなどを企画・実施するサービスを始めた。両社は専門家らと共同で山や周囲の観光ルートを調査・策定し、専用の地図をヤマップの登山アプリ「YAMAP」で発信する。同サービスは自治体やDMO(観光地経営組織)向けに拡販する。

 観光ルートは史跡や温泉、商店街など山の周辺にある観光資源と組み合わせて作成する。さらに登山者らが集まるイベントの企画・運営をはじめ、ウェブサイトやパンフレットなどの制作、展示会での自治体の観光プロモーション支援も担う。消費税抜きの参考価格は約200万円からで、2020年に関連受注を含めて約3億円の売り上げを目指す。

 凸版印刷は「山は日本各地にあるが、観光資源や周囲の街のビジネスにつながっていない山は少なくない」とみており、アプリを使ったイベントなどの実績を持つヤマップと連携して地方創生を後押しする。

 大日本印刷は「DNP旅のよりみちアプリ YORIP(ヨリップ)」に、サイクリングコースや周辺の観光スポットを紹介する新機能を追加した。コースの途中にある絶景ポイントなどを自転車に取り付けたスマホに表示する。第1弾として、長崎県大村市などが30日に開くサイクリングイベント「大村湾ZEKKEIライド」でヨリップを活用する。

 ヨリップはイベント終了後も観光情報を継続的に発信し、リピーター獲得につなげられるのが強みという。大村市では例えば地魚を提供する漁協や手作りのハムやソーセージを食べられるカフェ、高台から大村湾を眺められるオリーブ園などを紹介していく。園田裕史市長は「情報発信イノベーションの新たな形と捉えている。(イベント以外の日も)大村市に来て、ファンになってほしい」と期待する。

 ヨリップの1年間のサービス利用費を含む消費税抜きの初期導入費は250万円から。2年目以降のサービス利用費は年30万円から。大日本印刷地域創生ビジネス企画開発ユニットの宮本純ユニット長は「イベント後もヨリップで情報を発信し、地域活性化に寄与したい」と力を込める。

(文=福沢尚季)

大村湾ZEKKEIライドのコースなどをアプリで表示(大日本印刷のヨリップ)

(2018年9月18日)

梶原 洵子

梶原 洵子
09月18日
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スマホがあれば目的地への道順はわかりますが、特に山や海辺では、一般的な地図アプリには存在しない道が実際にはあったり、地図アプリ上では普通の道がけもの道だったりします。小さな観光スポットも見逃してしまいがちです。両社のサービスは、道や観光スポット案内を基点に、イベントの集客など広がりがあります。昔から、駅などに地域に密着した観光マップがありますが、それをアップデートした存在になるかもしれません。

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