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揺れる東芝「第三者委員会」調査の“主役”が会見

上田委員長「会計処理の先送りを違法だと思っていない人がいた」
揺れる東芝「第三者委員会」調査の“主役”が会見

会見する上田委員長


歴代幹部たちは公職退任、閣僚からも批判、市場の反応は?西室日本郵政社長(元東芝社長)「非常に残念」


 【信頼回復へ早急に行動を−西室元社長】
 東芝の元社長で戦後70年談話に関する有識者会議「21世紀構想懇談会」の西室泰三座長(日本郵政社長)は21日、東芝の不適切会計問題をめぐり、「根本的な信頼回復について、早急にいろいろなことをやっていかないといけない」と述べた。首相官邸で開かれた同会議の終了後、取材に答えた。西室氏は歴代3社長の辞任について「非常に残念。3人が責任を取るという最後の行動として、自分で決めたと思う」と指摘した。
 
 【佐々木東芝副会長、経団連副会長を辞任】
 経団連は21日、佐々木則夫副会長(東芝副会長)が退任したと発表した。同日、佐々木氏から榊原定征会長に退任の申し出があり、了承した。東芝は佐々木副会長のほか、2人の部会長も同日付で辞任するなど、経団連活動の第一線から退くことになった。

 佐々木氏は税制委員長、日本ロシア経済委員長も退任する。副会長の補充はしないことから、経団連副会長は14人体制となる。両委員会の後任は9月の理事会で決定する。このほか、委員会活動の中核となる部会長についても東芝幹部2人がそろって退任。東芝は、財界活動の中心に経団連を位置づけてきたが、経団連活動を当面自粛、財界の表舞台から離れることになった。
 
 【公職も辞任−経済再生相が受理】
 甘利明経済再生担当相は21日の閣議後記者会見で、東芝の佐々木則夫副会長から政府の産業競争力会議の民間議員など全ての公職を辞任する申し出を受けたことを明らかにした。佐々木氏は、政府税制調査会の委員やIT総合戦略本部の有識者本部員も務めており、今後、辞任の手続きを進める。
 
 【日本郵政取締役への就任を辞退−村岡常任顧問】
 東芝の村岡富美雄常任顧問が、日本郵政の取締役への就任を辞退したことが21日、分かった。村岡氏は、東芝の不適切会計が問題となっている時期に経理担当副社長を務めたことから、就任辞退を決めたとみられる。日本郵政は6月の株主総会で、村岡氏を新任取締役に選任する議案を出し、総務省の認可を条件に承認された。同省は東芝の会計問題を理由に、承認を「当分の間留保」していた。

 また総務省は同日、この問題で東芝の相談役を辞任した西田厚聰氏から、情報通信審議会(総務相の諮問機関)会長の辞表提出を受け、受理したことを明らかにした。
 
 【麻生金融相−「甚だ遺憾」】
 麻生太郎金融相は21日の閣議後記者会見で、東芝の不適切会計問題について「甚だ遺憾だ」と批判し、「きちんとしたコーポレートガバナンス(企業統治)をしていないと日本のマーケットが信頼性を失いかねない」と懸念を示した。
 
 【資本市場の信頼の観点から遺憾−会計士協会長】
 日本公認会計士協会の森公高会長は21日、都内のホテルで開かれた定期総会終了後に記者会見し、東芝の不適切会計問題について「資本市場の信頼性の観点から誠に遺憾な事態だ」と述べ、監査を担当した新日本監査法人に対し、懲戒処分が必要かどうかの調査に着手したことを明らかにした。森会長は新日本監査法人について、8月末までに東芝が提出する2015年3月期の有価証券報告書および過去の決算期の訂正報告書の「監査責任を全うしてもらった上でヒアリングなどに着手したい」と説明した。
 
 【東芝株上昇】
 21日の東芝の株価は、終値が前日比23円10銭高の399円90銭と大幅続伸。不適切会計問題に関する第三者委員会の調査報告書概要が公表されたことや田中久雄社長らの辞任が報じられたことで買い戻しの動きが出た。売買代金は517億円で同日の2位だった。東芝株は今後「特設注意市場銘柄」に指定される公算が大きい。
 
日刊工業新聞2015年07月22日 3面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
今回の問題が最初に発覚した4月ごろ、田中久雄社長らはここまで問題が大きくなるとは思っていなかった。東芝社内からも「第三者委員会のここまでやるとは・・」という声が多い。

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