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RPAの波がエンジニアリング業界にも…日揮が10月に導入

設計・人事・財務に適用、働き方効率化
 日揮は業務改善に向けてRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)を10月に導入する。設計や人事・財務の部門で利用して働き方を効率化する。IT活用の抜本的な見直しの一環。液化天然ガス(LNG)プラントの操業に人工知能(AI)を活用する顧客支援を打ち出しているが、社内にも先端技術を取り入れる。

 RPAの実証を進めており、10月以降に段階的に導入する予定。設計や人事などが対象となる。業務内容を重要度に応じて仕分けした上で、省人化しても問題ない業務や複数の部門で必要な業務にRPAを適用する。例えば、資材に使われる材料の市況データを収集し、複数の担当者や部門に送付する作業にRPAを利用することで効率化につなげる。

 日揮は社内の業務をシステム化して生産性を高めてきたが、今後は業務改善や組織のあり方も考慮しながらITを活用する。RPAのほかにも、IT戦略をとりまとめる責任者「チーフデジタルオフィサー(CDO)」を設置した。近く総合的なIT活用計画を策定する。経営方針との整合性を確保する。

 エンジニアリング業界ではRPAを社内の業務に導入する動きが広がりつつある。千代田化工建設は事務処理にRPAを試験的に導入している。業務の一部に繰り返し必要な処理が含まれており、RPAで代替して業務効率を高めることを目指している。
日刊工業新聞2018年9月6日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
RPAの活用がどんどん広がっています。ニュースイッチでは帝人やアサヒ、自治体の導入事例なども紹介しています。

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