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瞳孔計で寝不足判定、過労運転を防止

 スカラ(東京都新宿区、山本正男社長、03・3348・0181)は、睡眠不足のレベルを計測できる電子瞳孔計「DK―100=写真」を開発し、国土交通省の認定製品に選定された。過労時の自動車運転防止に役立つ。9月から本格発売する。価格は瞳孔計とタブレット端末「iPad」、ソフトウエアのセットで180万円(消費税抜き)。バス会社やトラックなどの運送事業者、医療機関への採用を見込む。

 瞳孔計は片目を覆うように機器を当て、計測を開始して7秒で検査できる。800ナノ―900ナノメートル(ナノは10億分の1)の近赤外線を照明光に使用。瞳孔の直径や面積、光刺激による瞳孔の対光反応などから自律神経の状態を計測する。

 計測結果は「平常」から「非常にきつい」まで5段階表示する。iPadに入れたアプリケーション(応用ソフト)と機器がWi―Fi(ワイファイ)で連携し、リアルタイムに瞳孔を表示する。

 従来はまつげや前髪が測定に支障をきたしていたが、「ソフトの改善で解決した」(山本社長)。今後、本人確認の厳正化や簡略化のため、指静脈認証も検討している。

 国交省は過労運転防止に取り組む企業が関連機器を導入する際、同省が認可した製品に対し、経費を補助している。同製品は休息中の睡眠状態を計測する機器として認定を受けた。
日刊工業新聞2018年8月27日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
睡眠は基本的にはプライベートの時間で行われる。しっかり寝ようが夜更かししようが個人の自由。また、多少睡眠不足でも仕事ってなんとかなる部分もあると思う。この装置で、対象者が睡眠不足であると測定された場合に、導入した企業がどのような対応をするのかが興味深い。もちろん、事故などのリスク低減には大いに役立ちそう。

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