“香る単語帳”を開発、生かしたのは富士通のガラケー向け技術

タイラ、埼玉大生のアイデアを形に

 タイラ(埼玉県所沢市、立石淳社長、04・2997・1511)は、富士通の開放特許を利用し、埼玉大学の学生のアイデアをもとにした香る単語帳「FLAROMA(フラロマ)Remember’s(リメンバーズ)」を開発・発売した。さいしんコラボ産学官(埼玉県熊谷市)が商品化を支援した。

 フラロマはタイラ初の自社商品。香りには記憶の定着やリラックス、過去の記憶を呼び起こすなどの効果があるという。集中力・リラックス・リフレッシュの3種類の香りを用意。ウレタンの発泡体をフィルターとした。消費税込みの価格は各1500円。インターネット販売のほか、大学生協など実店舗での販売も進めていく。

 さいしんコラボ産学官が2017年に開いたアイデア発表会で、埼大経済学部の学生チーム4人が富士通の開放特許「芳香発散技術」を使用した香り付き単語帳を考案した。この開放特許は「『ガラケー』に取り入れようと開発したが、スマートフォンが普及したため眠っていた技術」(西田雅俊富士通法務・コンプライアンス・知的財産本部イノベーション統括部統括部長)。学生チームリーダーの岡村幸介さんは「アイデアはパッとひらめいた。組み合わせというものの可能性の大きさを感じた」という。

 発表を聞いた立石社長が商品化を決め、約半年で完成させた。立石社長は「オリジナル商品を作ることは夢だった」という。化成品など受託生産がメーンのタイラ。18年9月期の売上高は約9億円を見込む。立石社長は「国内市場が縮小していく中、今の売上高を維持しつつ、売り上げの半分は自社商品にしたい」と目標を語った。香る文房具としてフラロマをシリーズ化する予定だ。

 さいしんコラボ産学官は埼玉縣信用金庫を母体とする産学官金のコーディネート組織。特許庁の「地方創生のための事業プロデューサー派遣事業」を受託し、中小企業のための知財を活用した商品アイデア創出事業を行っている。

日刊工業新聞2018年8月21日

葭本 隆太

葭本 隆太
08月22日
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香る文房具といえば、古くから消しゴムはありますよね。リラックス効果を得ながら単語帳を読むと、学習効果も高まるということでしょうか。

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