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花火を科学する!「丸星」作りは職人の技。色を増やす取り組みも

ハート形はなぜできるの?日本と海外の違いは?足利工大教授の解説付
花火を科学する!「丸星」作りは職人の技。色を増やす取り組みも

花火玉の内部構造(足利工大提供)


直径20ミリメートルの丸星作りに最低17日は必要


 では、花火の構成要素である星を作る生産技術はどうなっているのか。日本の花火の星の特徴である丸星は実はすべて職人の手作り。色が変化しながら発光する花火は丸星でないと作れない。異なる金属化合物を使った火薬を何層も積層することで色の変化を可能にしている。

 「直径20ミリメートルの丸星を作るのに最低17日は必要」(丁教授)と非常に手間がかかる作業だ。夏の花火大会に向け、職人たちは長い時間をかけて花火作りに臨んでいる。

 最近ではチョウやハートなどの形をした「型物花火」や笛のような音を出す演出などさまざまな花火があり観客を楽しませている。花火に携わる人々の思いを感じながら夏の夜空を見上げるのもいいかもしれない。
 (文=冨井哲雄)
日刊工業新聞2015年07月20日 科学技術・大学面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
確かに海外の花火は直線的で力強いが、日本の方が丸みがあって柔らかに感じる。日本人の精細さはこんなところにも。

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