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メーカーの海外進出の勝算、訪日客に試供品調査できるサービス

ボーダレスシティが今秋に開始
 ボーダレスシティ(東京都千代田区、大島秀崇社長、03・3239・5333)は、国内メーカーから訪日外国人(インバウンド)旅行者を対象とした試供品調査を請け負うサービスを今秋に始める。団体ツアーを扱う旅行会社に依頼し、アンケートなどの結果を依頼者に納め、調査費を得る。インバウンドの活用で、海外ビジネスの展開に必要なマーケティングの手間や費用を低減できる。9月上旬にも大手食品メーカー向けに試行実施する。

 ボーダレスシティの新サービス「団タメ!World Research」は、団体旅行者の国籍や食事で立ち寄る店を事前に把握した上で、メーカーから依頼された特定商品の試供品調査をする。例えば30代の中国人女性観光客が昼食に立ち寄る和食料理店で、化粧品を手にとってもらうサンプリングなどができる。

 他の利用方法としては50代の米国人観光客を対象とした、現地で流行しそうな商品についてのアンケートを想定。韓国人観光客向けには、2次元コード「QRコード」を利用したスマートフォン用ゲームアプリのお試しなども考えられるという。

 依頼する企業は海外市場への進出や製品開発にあたってのマーケティング調査が低コストで可能になる。同サービスを通じ、「メーカーなどの海外進出をサポートしていきたい」(大島社長)としている。

 ボーダレスシティは2015年5月から、旅行会社を通じて飲食店自らがインバウンド団体旅行者を獲得できる予約サービスを提供している。団体客の食事場所を探す旅行会社専用のウェブサイト上で、飲食店が立候補をすることで両者を引き合わせる仕組みを構築した。
 
日刊工業新聞2018年8月14日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
どれくらい良い調査結果が得られるか、旅行会社の力が重要になりそうです。

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