ビルの浸水防げ、注目集める防水板の普及のカギは軽量化

日工マシナリーが市場開拓

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現場確認から設計・製造・メンテナンスまで一貫して対応している
 日工マシナリー(千葉県野田市、片岡昭生社長、04・7122・0451)は、主力事業である水門の製造技術を活用してシステム防水板の製造販売を手がける。このほど止水高さ1000ミリ×厚さ30ミリメートルの軽量化タイプのシステム防水板を発売した。同様の止水高さと厚さでは業界最高水準の止水性能を実現している。水門製造技術と設計からメンテナンスまでの一貫対応の強みを生かし、市場を切り開く。

 日工マシナリーは2003年から「タウンガードシリーズ」として防水板の設計・製造・販売を始めた。00年に東海豪雨の発生を受け、水門技術を応用すれば、ビルなどの浸水被害を防げ、需要が見込めると判断した。ただ、当時は「『取り付けるだけで一生使うことはないだろう』と考える人もいた。浸水被害に対する意識は高いとはいえなかった」(横山尚弘取締役)。

 だが、11年に東日本大震災が発生する。多くの生命や財産を奪った津波に企業も意識を変えざるを得なかった。またゲリラ豪雨など浸水被害が社会問題となっており、安全・安心意識がさらに高まっていた。従業員の安全・安心や商品などの安定供給の必要性から、企業のBCP(事業継続計画)策定も進み、同社の防水板も注目されることになる。

 同社の防水板の特徴は水門技術を生かして止水力と軽量性を両立したことだ。「タウンガード Sスリム(HI)型」は、1時間の1平方メートル当たりの漏水を20リットル以下に抑える一方で、同社従来商品と比べて15%軽量化している。

 止水高さを高くすれば、防水板に水圧がかかるため、板を厚くするなど強度をアップする必要があることから重くなり、扱いにくくなってしまう。この課題を「水門で培った独自開発した止水ゴムや工法などで解決した」(横山取締役)。価格も同社従来商品も安く、競争力があり、将来の主力商品として位置付けている。

 またビル玄関用や地下街の出入り口用、倉庫の出入り口用など、さまざまな用途に適した商品をコストと運用の両面から提案する。さらに景観を損なわないように、取り外しを可能にするため、レールによる着脱式の構造を採用するなど、きめ細かくニーズに対応している。

 今後もバリエーションを拡充し、さまざまな物件に対応できるようにする。また現場確認からスタートし、設計から製造、施工、メンテナンスまで一貫して対応しているのが同社の強みでもある。「一気通貫で対応することで品質管理が徹底できる」(横山取締役)ためだ。

日刊工業新聞2018年8月6日

COMMENT

18年3月期の売上高は約20億円で、このうち水門と防水板は約13億円だ。今後、ラインアップ拡充と施工・メンテナンスまでの一貫対応の強みを発揮することで防水板を中心に伸ばし、将来は16億円に引き上げる。横山取締役は「水門技術とのコラボにより、総合防水板メーカーを目指していきたい」と積極的だ。 (日刊工業新聞社千葉支局・中沖泰雄)

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