サントリーのクラフトバーボン、人気拡大のワケ

取扱店は7月末で約9000店に拡大

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メーカーズマークとドライアイスで煙が立つハイボール
 サントリーホールディングス(HD)のクラフトバーボン「メーカーズマーク」の人気が急拡大している。テレビコマーシャルの放送や口コミでの評判により、2018年に入ってから取り扱い飲食店が増加。1月には約2000店だったが、7月末で約9000店まで拡大している。同製品を使った新たな飲み方を提案する飲食店も出てきており、ファン層開拓に一役買っている。

 主にトウモロコシを主原料とするバーボン・ウイスキーは、日本ではバーなどで楽しむ食後酒として認知され、愛好者も年配の男性が多かった。サントリーは数年前からジムビームというバーボンの拡販において、炭酸水で割るハイボールの飲み方を提案。女性タレントを使った販促もあり、女性や若者など新たな層でバーボンのファンを増やすことに成功した。

 メーカーズマークは、クラフトバーボンと呼ばれる「特に強いこだわりを持ったバーボン」だ。ビールに対するプレミアムビールのような位置付け。冬小麦を原料に使用しており、まろやかで甘い口当たりが特徴。一本ずつ封ろうが施されたパッケージも高級感を醸し出している。

 これまでは、国産ウイスキーやジムビームの陰に隠れがちだったが、高級品を求めるユーザーの需要変化もあり人気が高騰。飲食店や小売店で存在感を高め「18年の出荷本数は17年の1・5倍である76万本を上回る見通し」(サントリー酒類の堀尾優太氏)という。

 メーカーズマークの人気に一役買っているのが、レストランやバーにおける新しい飲み方の提案だ。横浜市西区にあるイタリアンレストラン「モンダッタ」では、特殊な機械を使いバーボンに果物などのフレーバーをしみこませたハイボールが人気。ドライアイスでぶくぶくと煙が立つハイボールは見た目にも楽しく「『インスタ映え』効果もあり特に若い女性に人気」(笠原洋平統括店長)だ。6月に同店で提供したアルコール類は、ビールが約2700杯で、メーカーズマークを使ったハイボールなどが約1400杯だった。通常の飲食店ではビールに対するハイボールの割合は数%になるケースが多い。同店のプロモーションが奏功している証左といえる。

 サントリーはモンダッタのように、品質を守るなど一定の条件を満たしたメーカーズマークを提供する飲食店を「メーカーズマークハウス」と呼び、支援している。ハウスは6月末で全国450店舗。年末には700店舗になる見通し。

日刊工業新聞2018年8月9日

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増え続けるハウス各店が新たなメニュー開発や上質なサービス提供を進めれば、人気はさらに拡大しそうだ。 (日刊工業新聞社横浜総局・鳥羽田継之)

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