“ニッポン自動車”の誘致を強化する米ミシシッピ州の狙い

グレン・マッカラ経済開発庁長官に聞く

 米ミシシッピ州が自動車関連企業を中心とした日系企業の誘致を強化している。同州は米南部に位置し、労働力の質の高さやコストの低さが強み。トヨタ自動車とマツダが近隣のアラバマ州に2021年をめどに新工場を稼働する計画があり、特に日系サプライヤーの進出へのニーズを取り込みたい考えだ。ミシシッピ州のグレン・マッカラ経済開発庁長官に展望を聞いた。

 ―他州と比べたミシシッピ州の優位性は何でしょう。
 「企業で良いキャリアを積みたいという労働意欲の高い人材が多い。また米南部の中でも労働コストが低く、比較的余剰人員にも恵まれている。州として企業ごとにカスタマイズした従業員対象の職業訓練プログラムも提供できる。進出してきた多くの日系企業が利用し、良い評価をいただいている」

 ―日系企業の進出や投資状況は。
 「自動車関連ではトヨタや日産自動車、横浜ゴムなど40社以上の企業が進出し、1万5000人以上の雇用が生まれた。直近ではカルソニックカンセイが工場を拡張した。トヨタは新型車の生産増加を見据えた投資をする。17年の日系企業を含めたミシシッピ州への投資案件は過去最大規模になった」

 ―誘致のターゲットは。
 「引き続き自動車関連企業になる。中でもトヨタとマツダが21年をめどにアラバマ州に工場を新設することに注目している。ミシシッピ州から新工場までのアクセスの良さをアピールし、部品メーカーなどの誘致につなげたい。自動車以外では素材や航空宇宙関連など先端分野を扱う製造業などの進出を期待している」

 ―今後の進出企業への優遇策は。
 「もともと米東部や中西部の州と比べて税負担が少ないが、法人税の一部についてさらに段階的に減らすことを検討している。さらに許認可手続きのスピードを上げ、より企業が進出しやすい環境を整えたい」

日刊工業新聞2018年7月12日

日刊工業新聞 記者

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07月14日
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米国は失業率が低水準で推移し、現地に進出している部品メーカーは労働力の確保に苦戦している。米政府の通商政策の行方が依然不透明なのが懸念材料だが、他州と比べ人材を獲得しやすく、自動車関連の誘致実績を多く持つミシシッピ州は米国への進出先として有力な州の一つといえる。
(日刊工業新聞社・下氏香菜子)

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