国産“空飛ぶクルマ”、開発期間・コスト半減へ

カーティベーター、MBD手法を導入

 走行と飛行が可能な“空飛ぶクルマ”を開発する有志団体「CARTIVATOR(カーティベーター)」は、2020年に試験飛行を予定する機体設計にモデルベース開発(MBD)手法を採り入れる。20年までに安全性の確保やシステムの冗長性を持たせて開発するには、MBDによる開発期間の短縮や低コスト化が必須と判断した。同様の車両開発は外国勢も進めている。開発スピードを速め世界初の空飛ぶクルマの完成を目指す。

 MBDのツールとして、米マスワークス(マサチューセッツ州)の数値解析ソフトウエア「マトラボ」のほか、物理モデリングや仮想環境でシミュレーションが可能な「シミュリンク」などを利用する。これら製品は日系完成車メーカーも多数採用しており、実績面から有効と判断した。

 カーティベーターはシステムに障害が起きても機能を維持できる冗長化などのシステムアーキテクチャー(設計概念)に着手した。製品開発に必要な部品の選定作業にも入っており、早ければ今秋にも調達を開始する。

 20年の東京五輪・パラリンピックの開会式で、聖火台の点火に空飛ぶクルマを使うことを目標の一つに掲げる。MBDを用いなければ「20年までに必要な開発時間と資金は倍以上になる」(山本賢一R&Dチームリーダー)と試算しており、MBDを活用することで開発が迅速に進むとみている。

日刊工業新聞2018年7月12日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
07月13日
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政府は20年代の空飛ぶクルマの実用化を目指して、18年内にも官民協議会を設立する方針を打ち出した。一方、海外では米ウーバーが「空飛ぶタクシー」の試験飛行を20年に実施し、23年の事業化を目指している。カーティベーターには、トヨタ自動車やパナソニックなどの大企業が支援企業となっている。開発競争での勝ち残りや技術立国としての地位を高めるため、MBDで開発期間を短縮する。

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