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JR貨物、九州方面1日3万トンに影響。再開まで数カ月 

JR貨物、九州方面1日3万トンに影響。再開まで数カ月 

完成車メーカーも部品輸送に鉄道コンテナを使っている

 JR貨物は11日、大雨で被災した地域を通過する九州方面への貨物列車について、再開まで数カ月かかる見通しを明らかにした。すでに営業担当者が顧客に状況説明を進めており、12日からフェリーやトラックによる代行輸送を始める。代行輸送区間と貨物列車を接続させてネットワークを維持する。人手不足や環境への配慮からモーダルシフトが加速するなか、産業の広範囲に影響が見込まれる。

 今回の豪雨災害でJR貨物には、全輸送量の3分の1に当たる1日当たり約3万トンの輸送に影響が出ている。

 関西―九州は主要幹線の一つで鉄道利用が伸びている。積み合わせ貨物で佐川急便や西濃運輸は東日本各地から九州方面への荷物引き受けを停止している状況。日産自動車をはじめとする完成車各社も、関東―九州間などで自動車部品の輸送に鉄道貨物を使う。

 山陰・山陽の紙製品輸送では鉄道の占有率が高い。九州への雑誌も遅配が生じている。このほか工業製品や農産物、飲食料品の輸送に影響が見込まれる。
日刊工業新聞2018年7月12日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
JR西日本は広島県、山口県を中心とした被災地域の鉄道路線について、山陽線や芸備線など9線区で1カ月以上の長期間にわたり運転見合わせを想定すると発表した。このうち、JR貨物が利用する山陽線では、広島県内の三原―海田市間と山口県内の柳井―徳山間が対象。

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