“粉飾の看板“もはげ落ちた老舗優良企業の倒産
新日本プロセス広芸社、多くの取引先に疑念を与える
新日本プロセス広芸社は、1935年12月に創業。販売促進広告用の旗・のぼりなどの印刷、製作などを手がけていた。広告代理店や大手電機メーカーなどをエンドユーザーとする広告物製作業者を得意先に、2007年12月期には年売上高約20億円を計上していた。
しかし、近年は価格競争が徐々に激しくなり、赤字受注による案件が出るようになっていた。そうした中、16年までの決算書上で売り上げを前倒しで計上するなど粉飾決算を行い、体面を取り繕っていた。
これにより金融機関からの資金援助を何とか取り付けていたという。だが、そうまでしても年商が全盛期の半分ほどに落ち込んでいた。
17年初には、社長の右腕とも言える営業担当の取締役が同業者に転職。更なる売り上げ減少を招き、連鎖するように営業担当者が次々に退職した。高齢だった代表者は心労から体調が悪化した。
そして18年3月末の約4500万円の買掛金の支払いおよび借入金の返済の目途が立たないことが判明。3月22日には全従業員を解雇し、自己破産申し立ての準備に入り、5月に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。
破産申立書によると、17年12月期で約1億7000万円の売り上げなどの取り消し処理を行って、年商約8億2600万円に対し当期純損失は約2億4100万円を計上。債務超過額は約1億4700万円にのぼった。
取引のあった企業からは「リスケもせず突然の倒産だったのでだまされた思いだ」「業歴もあり技術力もあったため予期しない情報に驚いた」と驚きの声があがった。
一方で事業停止前に従業員への賃金や解雇予告手当、退職金の支払いを完了させており労働債務は残っていないという。優良企業と思われていた新日本プロセス広芸社の倒産は多くの取引先に疑念を与えることとなった。
(文=帝国データバンク情報部)
しかし、近年は価格競争が徐々に激しくなり、赤字受注による案件が出るようになっていた。そうした中、16年までの決算書上で売り上げを前倒しで計上するなど粉飾決算を行い、体面を取り繕っていた。
これにより金融機関からの資金援助を何とか取り付けていたという。だが、そうまでしても年商が全盛期の半分ほどに落ち込んでいた。
17年初には、社長の右腕とも言える営業担当の取締役が同業者に転職。更なる売り上げ減少を招き、連鎖するように営業担当者が次々に退職した。高齢だった代表者は心労から体調が悪化した。
そして18年3月末の約4500万円の買掛金の支払いおよび借入金の返済の目途が立たないことが判明。3月22日には全従業員を解雇し、自己破産申し立ての準備に入り、5月に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。
破産申立書によると、17年12月期で約1億7000万円の売り上げなどの取り消し処理を行って、年商約8億2600万円に対し当期純損失は約2億4100万円を計上。債務超過額は約1億4700万円にのぼった。
取引のあった企業からは「リスケもせず突然の倒産だったのでだまされた思いだ」「業歴もあり技術力もあったため予期しない情報に驚いた」と驚きの声があがった。
一方で事業停止前に従業員への賃金や解雇予告手当、退職金の支払いを完了させており労働債務は残っていないという。優良企業と思われていた新日本プロセス広芸社の倒産は多くの取引先に疑念を与えることとなった。
(文=帝国データバンク情報部)