衛星データで空き家の把握も、総務省が新規事業構築へ技術開発後押し

競争的資金制度、19年度予算で要求

 総務省は人工衛星データの取得や処理、解析の高度化に向け、競争的資金を活用した研究開発を2019年度に始める。衛星データを使った空き家の把握や土砂災害の予測などを行う新規ビジネスの構築に必要なセンサーや解析技術などを開発する。政府は衛星データ活用ビジネスの国内市場を30年代早期に14年比約18・5倍の1040億円に拡大する目標を掲げている。達成に向け関連技術の開発を加速する。

 19年度予算概算要求に必要経費を盛り込む。これまで総務省は、衛星関連設備の開発は具体的な仕様を決めて委託していた。19年度に競争的資金による方法を追加する。

 競争的資金は、企業や研究機関から研究課題を公募し、研究を委託する仕組み。新手法の導入により、センサーの設計などに企業や研究機関の知見を生かして開発し、より幅広いアイデアを備えた新規ビジネスの創出につなげる。

 研究開発のテーマは空き家の把握に必要な赤外線センサーや、土砂災害を予測するための衛星画像の解析技術などを想定。事業化した際に地方自治体などの需要が見込まれるテーマにする方針だ。

 衛星データを活用したビジネスの創出・構築は、データの取得や処理、解析の高度化が課題。例えば衛星に搭載した赤外線センサーは、ガスやエアコンによる熱放射を検知することで空き家を把握できると期待される。だが、現状のセンサーは解像度が低く正確な把握が困難という。また、衛星画像から土砂斜面の時間経過に伴う変位を抽出して土砂崩れを予測する事業も見込まれるが、その実現にはミリメートル単位の変位を自動抽出できる技術などが求められている。

日刊工業新聞2018年7月6日

葭本 隆太

葭本 隆太
07月06日
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衛星利活用ビジネスとしては、空き家状況の把握が特に自治体の需要が大きいようです。衛星データ活用ビジネスとしては、衛星画像で建物の形状や数を把握して、そこから人口密度などを予測し、小売店の出店計画などをコンサルするサービスなども期待されています。

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