“Suicaのクラウド化”、利用者にどんなメリットが?

“紙チケットレス”を加速、生活関連サービスも

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交通系ICカードの利用は9割を超えているが磁気券対応改札(左)も多く残る
 JR東日本は2019年度中にも、交通系ICカード「Suica(スイカ)」のID(識別符号)・使用履歴を管理するセンターサーバーを、オンプレミス(自社保有)からクラウドに移行する。拡張性を高めて、ICカードを決済手段だけでなくID認証にも使い、「QRコード」など新たな改札入場方法も見据える。発券や改札の“紙チケットレス”を加速するとともに、街中での生活関連サービスの提供領域拡大も見据える。

 スイカのセンターサーバーは5―6年に一度の更新期を迎える。トランザクション(処理量)の増加に対応するとともに、今後の機能拡張性を重視してクラウド化を決めた。

 ICカード乗車券は原則、改札通過時にICカードに情報を書き込み、出場時に運賃を決済する方式。これに加えてICカードのIDを端末で読み取り、センターサーバーから管理するIDとヒモ付いた情報を取り出す機能にも対応する。スイカのIDを用いて特急券をインターネット経由で予約・決済するとスイカをかざすだけで改札を通過できる。

 JR東は、この仕組みを使って20年春に新幹線IC乗車サービスを導入する。ICカード以外にも将来、スマートフォンの画面に表示した「QRコード」や生体認証でのID認証による入場などを想定。すでにバーコード対応自動改札機の特許を出願し、実現に向けて検討を進めている。

 紙チケットレスによる駅業務の効率化効果は大きい。券売機が不要になるほか、自動改札機から磁気券を読み取る機構が減らせ、大幅なコスト削減や省人化が見込まれる。

日刊工業新聞2018年7月2日

COMMENT

JR東は、生活関連サービスの拡大に取り組んでおり、電子マネーとして街中に普及が進むスイカは事業展開の核。従来の決済機能に加え、認証機能も活用し、サービス拡大や利便性向上を狙う。 (日刊工業新聞・小林広幸)

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