がん患者のセカンドオピニオン、ネットサービスの課題と可能性

「1週間で意見書」、医師の量と質をどう担保する?

  リーズンホワイ(東京都港区)は、がん患者が主治医以外の医師に意見を聞くセカンドオピニオンを、インターネット上で行えるサービス「Findme(ファインドミー)」の提供を4月に始めた。患者が、がんに関する不安を早期に取り除いて治療に臨める効果を見込む。空き時間に専門知識を生かして社会に貢献したい医師の思いにも応えられるとみている。治療成績の向上や医療の効率化につながるか、注目が集まる。

 「がん治療に対して漠然とした不安を持っているが、セカンドオピニオンを実際に受けるという発想には至らず、悶々(もんもん)としたまま治療に臨む患者さんが非常に多い」。リーズンホワイの今西是裕取締役は、ファインドミーを立ち上げた背景の一つをこう説明する。

 同サービスは患者が診療情報提供書や相談内容を投稿すると、複数の医師が意見書の予定項目や作成費用などを示す仕組み。患者はそれらを比較検討し、任意の医師へ意見書の作成を依頼する。意見書作成費用は2万―5万円(消費税抜き)。当初は乳がんや卵巣がんに関する相談を受け付けていたが、6月からはがん全般に領域を広げた。

 依頼を受けた医師は約1週間で意見書を提出する。これらのやりとりは、患者も医師も匿名で行えるが、患者は追加料金を支払うことで意見書受領後に医師のプロフィルを知ることもできる。

 患者や家族がセカンドオピニオンの依頼先を探す際は、適切な専門家の所在が不明だったり、分かっても遠くにいるため、訪問するのが負担になったりする場合がある。リーズンホワイはネットを活用し、医師から患者へ申し出が届く仕組みを整え、こうした問題の解決を目指す。

 この仕組みは、多様な疾患で使えると考えられるが、同社が対象として、がんを選んだのはなぜか。今西取締役は、新たにがんと診断される患者は年間85万人にのぼると指摘。「(患者が不安を解消できないため)治療に踏み切れず、手術を先延ばしにすることで症状が悪化し、余計にかかる医療費などで年間450億円程度の損失が日本全体で出ている」と試算する。これらの影響を少しでも取り除きたい考えだ。

 ファインドミーへの参加を医師に促すことも重要となる。今西取締役は、都心から少し離れた場所のがん専門医に会ったところ、人口減が関係してか、がん患者があまりおらず、知識を使う場面が減ってきたと聞いたという。「こういう先生は日本中にいるはず。せっかく鍛えた見識を生かして頂くためにも、(ファインドミーを)アピールしていきたい」(今西取締役)。
                

日刊工業新聞2018年6月29日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
07月01日
この記事のファシリテーター

また、患者が求めた際に実名を出せない医師は参加できない。今後もこのような運用を徹底し、患者にとっての実効性を保てるかが試される。
(日刊工業新聞・斎藤弘和)

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。