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日立、エレベーターの「世界統一モデル」開発へ

設計を標準化、収益底上げ狙う
日立、エレベーターの「世界統一モデル」開発へ

海外市場で成長を目指す(日立公式動画より)

 日立製作所はグローバルでエレベーターの設計の標準化に乗り出す。2020年度をめどに各国の規制に対応した安全装置などの一部の構造部を除き、全体の6―7割の設計を統一した「世界統一機種」を開発する。設計を抜本的に見直すことで、調達から生産までを効率化し、収益性の底上げにつなげる。

 エレベーターは地域ごとに安全規制が異なるため、通常、それぞれ設計する。日立製作所は規制対応に必要な部分以外で共通化できる構造部を洗い出し、モジュール化を推進する。

 部品の共通化を進め、調達費の低減にもつなげる。開発した機種は、中国で製造し、東南アジアなど周辺地域に輸出する。

 日立が主要な生産拠点と位置付ける中国では17年度に成都工場にIoT(モノのインターネット)を活用した生産工程の「見える化」など、新たな生産システムを導入した。18年度内に中国内の他の3工場にも横展開する。

 生産の効率化に合わせて、設計も見直すことで資材費の高騰なども吸収し、製品の競争力強化につなげる。中国の生産能力を生かし、標準化を進めた機種を大量生産することで、コストダウンを図る。
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
 日本国内のエレベーター市場は人口減少で、新設需要は中長期で減少傾向をたどる。一方、海外市場はアジアや中東では新設需要が旺盛で、16年度から21年度までの年平均成長率で6・1%を見込む。遠隔監視などの保守管理サービス事業との両輪で、成長市場に攻勢をかける。

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