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がんの元になる細胞が拡大する仕組み解明

阪大が共同研究で
 大阪大学大学院理学研究科の坪井有寿特任研究員と藤本仰一准教授らは、京都大学や東北大学と共同で、がんの元になる「前がん細胞」が勢力を拡大する仕組みを解明した。前がん細胞が、細胞同士の接着ネットワークの配置換えを繰り返し、細胞分裂せずに面積を拡大する。生体の正常な発生や病気の発症などの仕組み研究に応用できる。

 研究グループは、前がん細胞と正常細胞の面積争いを計算機でシミュレーションした。隣接する細胞同士の接着ネットワークで、正常細胞が死ぬと配置変換が起きた。前がん細胞の面積拡大に有利な配置換えを重ね、正常細胞が失われた部分を前がん細胞が占有した。

 次にショウジョウバエの体の表面に前がん細胞を生じさせて顕微鏡で観察。シミュレーション同様、細胞の隣接関係が繰り返し変換され、数百個の正常細胞が排除され前がん細胞へ入れ換わった。従来考えられていた、前がん細胞が正常細胞より速く分裂して面積を拡大するという推測が誤りとわかった。
正常細胞が前がん細胞に入れ換わる過程(阪大提供)
日刊工業新聞2018年6月15日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
研究成果は米科学誌「カレントバイオロジー」電子版に掲載されたので詳しくはそちらで。

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