オフラインで家電・ロボットがボイスアシスタント

必要な言葉だけ知ってます

日本語版を提供開始


 仏Snips(スニップス)は、家電などの端末上で稼働する音声処理プラットフォームを日本市場へ投入する。家電やロボット、産業機器などに搭載し、インターネットに接続せずに、音声操作や対話などのボイスアシスタント機能を使える。6月中に日本語版の提供を開始し、今秋に日本事務所を開設する。プライバシー保護などを訴求し事業を広げる。

 スニップスは、人工知能(AI)技術を使った音声処理プラットフォームを、家電や産業機器などの搭載端末ごとにカスタマイズして提供する。小さな処理能力で動かせるようにライブラリやアルゴリズムなどに独自性を持たせた。例えば、コーヒーマシンにはコーヒー関係の言葉だけ載せることでライブラリを小さくできる。また、アルゴリズムは、①人からの呼びかけへの応答、②スピーチの認識とテキスト変換、③自然言語理解、④対話に関わるニューラルネットワークから書き換えた。プログラム言語は「Rust(ラスト)」を採用した。

 同社は蘭NXPセミコンダクターズと協力し、対応する言葉の範囲に合わせた処理能力の半導体に実装して提供する。数カ月内にマイコンにも対応する予定で、安価なオモチャなどへの搭載も可能になる。

仏スニップスの音声処理技術を搭載した仏キーカーの家庭用ロボット

海外では家庭の御用聞きロボットも


 海外では、同社技術を搭載した商品が発売された。一つが仏Keecker(キーカー)の家庭用ロボットで、家庭内を移動し、人の呼びかけに応えて、家電操作や映像投射を行う。スニップスの顧客は約30社おり、2018年末をめどに順次商品の販売が始まる。

 家電やロボットのほか、複雑な産業機器の操作の支援にも利用できるとみている。

 欧州連合(EU)による一般データ保護規則(GDPR)の施行を受け、プライバシーを保護できるデータ処理技術の需要増加が予想される。同社の音声技術は、世界で初めてGDPRに準拠した。一方、IT大手はさまざまな内容の会話に対応する音声処理技術をクラウドネットワークを通じて提供している。スニップスは、会話内容は限られても、音声データをクラウド上に送信したくない用途に訴求することで、IT大手と住み分ける。

 同社は13年設立のベンチャー企業。従業員数は約65人で、事業拡大に向けて18年内に2倍に増員する。最高経営責任者のランド・ヒンディ博士は、10歳からプログラミングを始め、仏政府が任命したデジタル技術関連の諮問委員会の一員を務めている。
仏スニップスのランド・ヒンディ博士

(2018年6月8日 ロボット面)

梶原 洵子

梶原 洵子
06月09日
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話題になることが増えた、EUのデータ保護に関する規則・GDPR。日本にどう影響するのかまだわかりませんが、EUから日本へ、GDPRに対応する製品や企業の進出・アプローチが増えてきています。

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