19年ぶり新型軽商用車「N-VAN」はホンダの“成長エンジン”になるか

設計に工夫、荷積み容易に

 ホンダは、19年ぶりとなる新型軽商用車「N―VAN(バン)」を今夏発売する。軽商用車としては初めて助手席側のセンターピラーをなくした設計を採用し、荷物を積み降ろしやすくした。同社の軽自動車群「Nシリーズ」で初の商用車となる。国内販売の屋台骨であるNシリーズを底上げする役割に期待がかかる。

 ホンダは4月にN―バンのウェブサイトを公開し、今夏に発売するスケジュールなどを発表。6月1日には商品概要やモデルラインアップなどの追加情報を公開した。

 N―バンの設計の特徴は大きく二つある。一つ目はエンジンを前方に配置して床を低くした点。後部座席と助手席をたためば、運転席以外のスペースを段差のないフラット(水平)な荷室空間として使える。最大積載量は350キログラムで段ボール箱を71個積める。水平のため脚立など長尺物も積みやすい。

 二つ目は助手席側の窓枠がないピラーレス設計。これによりテールゲートと助手席側との二つの動線を使い円滑に荷物を積み降ろせる。また縦列駐車などでテールゲートを開けにくい時、助手席側から楽に作業できるのもメリットだ。

 モデルラインアップは、仕事道具としての機能性を追求した基本の「G」、それに一部機能を追加した「L」。さらにプライベートでも使いたいというユーザー向けに装備やデザインを高めた「+スタイルFUN」と「+スタイルCOOL」を用意する。安全運転支援システム「ホンダセンシング」を全モデルで標準搭載する。

 ホンダは「Nシリーズ」の第1弾としてワゴン型の「N―BOX」を11年11月に発売した。その後、タイプの異なる派生車を投入し顧客層、用途の両面で幅広いニーズに対応する体制を整えた。Nシリーズで17年度は前年度比16・2%増の22万3449台を販売し、登録車を含む車名別新車販売で年間首位を獲得した。

 新たにNシリーズに加わるN―バンは、初の商用車として働く人の需要を取り込む。同社はN―バンと同様の軽商用車として「アクティ バン」を展開してきたが、ここ数年はライバル車であるダイハツ工業「ハイゼット」やスズキ「エブリィ」の改良などもあり、苦戦を強いられている。

日刊工業新聞2018年6月8日

後藤 信之

後藤 信之
06月08日
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Nシリーズは女性ユーザーの使い勝手の良さや広い室内空間にこだわり、軽に燃費と価格以外の新たな価値を提示して地位を築いた。N―バンは商用車分野でも“新市場”を開拓しNシリーズの新たな成長エンジンとなるか。

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