メガバンクの理系人材獲得競争が激化し始めた

IoT・フィンテック台頭。大学研究室訪問、採用コースの新設も

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メガバンクグループは全体の採用は抑制するが、理系専門人材の確保は強化(4月、みずほFG入社式)
 メガバンクグループが理系人材の採用を加速する。みずほフィナンシャルグループ(FG)は2019年4月の新卒採用で、理系人材の採用比率を前期比2倍の約20%に引き上げる。三井住友銀行は19年4月の新卒採用から、金融工学や統計学を学んだ理系人材向けの採用手法を導入する。メガバンクや同グループは低金利などを背景に総採用数を絞るが、IoT(モノのインターネット)やフィンテック(金融とITの融合)の台頭を受け、理系人材の確保を強化していく。

 みずほFGは19年4月に傘下のみずほ銀行とみずほ信託銀行の合算で、理系学生100人程度を採用する見込み。18年度は採用担当が大学の理系研究室50―60カ所を訪問。セミナーやイベントを通して金融ビジネスのやりがいなどを周知する。

 みずほ証券は採用コースに「IT・数理コース」を新設。高度な数学的手法を使って金融商品などを考案するクオンツ分析や、アルゴリズムによる投資モデル構築を担う人材を確保する。19年4月は5―10人程度を採用する見通し。グループの中核を担う銀行、信託、証券のほか、みずほ情報総研(東京都千代田区)で約1130人を採用予定。うち200人程度を理系とする。

 三井住友銀は19年4月の新卒採用から、金融工学や統計学を学んだ理系人材向けの採用コースを新設する。あらかじめ配属先を確約した2コースを設け、19年4月は計8人を採用する計画だ。採用計画を明らかにしていない三菱UFJフィナンシャル・グループも、理系人材の採用を強化する方針だ。

日刊工業新聞2018年5月9日

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長塚崇寛
編集局ニュースセンター
デスク

メガバンクグループは低金利やデジタル化の進展に伴い、収益構造の改革が急務。採用抑制による固定費削減を柱の一つに据える。半面、フィンテックなどを活用した新ビジネスの創出に力を入れており、理系人材を巡る争いは今後も熱を帯びそうだ。

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