中国株急落!自動車、建機、鉄鋼…日本企業への影響を総点検

不動産投資や都市開発が減速で。重電や建設市場に悪影響が

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建機業界は中国市場の長期的な低迷に苦しむ(中国で稼働する日立建機の油圧ショベル)

電機は収益をけん引してきた昇降機に不透明感


 株価の低迷により不動産投資が一段と減速する可能性が高く、都市開発向けビジネスに悪影響が及ぶ公算が大きい。電機業界では昇降機や空調など重電設備の需要が減退する恐れが出てきた。

 特に懸念されるのが、世界市場の6割を占める昇降機だ。すでに足元の不動産開発投資は、リーマン・ショック以来の低水準に落ち込んでいる。株価低迷が長引けば、リスク資産の不動産から資金を回避する動きが強まるのは間違いない。

 日本の電機大手は、昇降機事業で数千億円規模の売り上げを創出。安定的に利益を稼ぎ、近年の業績回復の一因になった。主戦場の中国では三菱電機や日立製作所など日系企業がシェアで最上位にあり、事業の収益源に位置づけてきた。

 その中国がつまずけけば一気に苦境に立たされる恐れがある。実需もあるため「緩やかに伸びている」(電機メーカー首脳)との声もあるが、見通しは不透明だ。今後、ビル建設計画の先送りや白紙撤回が起きてくると、収益面で下方修正を余儀なくされそうだ。
 
 【海運・賃下落で淘汰進む?】
 中国経済の減退は海運業界に大きな影響を与える。足元の海運市況は、鉄鉱石や石炭などを運ぶドライバルク船の運賃が低迷しており海運各社の業績の足を引っ張っている。ただ、ドライバルク船の市況に最も影響がある中国の鉄鉱石の荷動きは、前年並みと堅調。足元の市況低迷は、船腹の供給過剰が原因だ。

 こうした中、堅調に推移してきた中国の実需も落ち込むとなると、歴史的に最低水準となっているドライバルク船の運賃がさらに下がる可能性がある。海運業界では、低運賃に耐えられなくなった専業の海運会社を中心に淘汰(とうた)が進むこともありそうだ。

 短期的には厳しい見通しとなる一方で、中長期的には、「ドライバルク船がだぶつく要因となっている中国の造船会社の淘汰で、需給バランスが締まるのでは」(業界関係者)という見方もある。船舶の過剰供給で低迷が続いてきたドライバルク船の市況だが、中国経済の変化で、新たな局面を迎えそうだ。
 
 【不動産マンション・日本への影響、限定的】
 国内マンション市場における外国人投資家の存在感は高まっている。中国をはじめ台湾や東南アジア各国の富裕層が、東京都心部や湾岸エリアの高層マンションを中心に居住や投資のために購入するケースが増えているようだ。ただし、あくまでもマンション購入者の大多数は国内の実需層。中国株の下落が海外富裕層の動きに影響を及ぼしたとしても「国内マンション市場への影響は限定的」(不動産経済研究所)との見方が強い。

 では、中国人の動向に株価下落はどう影響するのか。中国人など外国人向けを専門に一戸建て住宅やマンションの仲介を手がけるユーエスマネジメンツ(東京都豊島区)の上島透社長は「当社の顧客は安定した投資利回りや建物の品質に着目して日本のマンションを購入している」と話す。

 株価下落で損失補填の必要からこうしたマンションを手放す可能性もあるが、むしろ安全資産としての位置づけから投資が増えることも考えられる。

日刊工業新聞2015年07月08日 深層断面

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村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

中国株急落で中国の時価総額が約392兆円が消失した。この衝撃が今後どう影響してくるか。中国の変調は「ギリシャ問題」以上のインパクトを与えそうだ。

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