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ビルの劣化診断、ディープラーニング活用

建築物向けに提供し、橋梁やトンネル、プラントなどに拡大
 日立システムズは、日立建設設計(東京都千代田区)の建築物診断技術や人工知能(AI)を活用し、飛行ロボット(ドローン)で撮影したビルなどの写真データから劣化箇所を自動で検視する機能を開発した。ドローンの操縦や撮影代行、画像診断、データの保管を行う同社の「ドローン運用統合管理サービス」のメニューの一つとして提供を始めた。2020年までに同管理サービスを200社以上に提供することを目指す。

 建造物向け写真データの「自動劣化診断機能」は、ディープラーニング(深層学習)を活用した診断モデル。建造物の外壁面のひびの写真を蓄積したデータベースと、ドローンなどが撮影した写真を照会する。同社では写真の自動抽出だけでなく「ドローン運用統合管理サービス」により、構造物全体の3次元モデル上での管理や点検作業報告書、保持保全計画の策定などを総合的に支援し、構造物の点検作業の効率化につなげる。効率化度合いはビルの規模や構造条件によって大きく変わるという。

 自動劣化診断機能は、まず建築物向けに提供し、橋梁やトンネル、プラントなどに拡大する方針。
日刊工業新聞2018年4月13日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
高度成長期に造られたインフラの維持管理が、人手不足などの理由で問題になっています。ドローンや画像認識技術は点検の精度を高めるだけでなく、前述の問題解決にも貢献すると思います。

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