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民間航空機エンジンの修理・整備工場、IHIが国内に新設へ

瑞穂工場で「PW1100G―JM」のMROを手がける
民間航空機エンジンの修理・整備工場、IHIが国内に新設へ

航空機用ジェットエンジンの最終組み立てや整備事業を担う瑞穂工場

 IHIは瑞穂工場(東京都瑞穂町)に、民間航空機エンジンの修理・整備(MRO)工場を新設し、9月に稼働する。投資額は20億―30億円。新棟では欧エアバスの「A320ネオ」に搭載する「PW1100G―JM」エンジンのMROを手がける。同エンジンは2020年に720台以上の出荷を計画。出荷増とともにMRO需要も拡大し、IHIは18年度に約100台(17年度は約15台)のMROを見込む。旺盛な需要を取り込むには、新工場の整備が不可欠と判断した。

 新棟は瑞穂工場内の空き地に建設する。建屋面積は約4000平方メートル。IHIは17年からPW1100G―JMのMRO事業を開始し、足元では既存建屋の一部を活用している。来年度に100台のMROを実施する計画で、整備能力が不足していた。整備の人員も製造機能の停止を計画する愛知工場(愛知県知多市)から約60人を移す。

 MROはエンジンの分解・洗浄・検査・修理・組み立て・運転試験などの工程があり、整備に必要な機器や治工具といった設備を設置する。整備後のエンジンを試運転するテストセルも17年6月に、PW1100G―JM向けに改造済み。今回の新棟建設で受け入れ態勢が整う。
日刊工業新聞2018年4月4日
長塚崇寛
長塚崇寛 Nagatsuka Takahiro 編集局ニュースセンター デスク
PW1100G―JMは米プラット・アンド・ホイットニー、日本航空機エンジン協会、独MTUエアロ・エンジンズが共同開発した。日本勢ではIHIのほか、川崎重工業や三菱重工業が部品製造に参画。川重や三菱重工も同エンジンのMRO事業に参入する見通しだ。同エンジンが搭載されるA320ネオは、整備機能を保有しない格安航空会社(LCC)も採用しており、大きな整備需要が見込まれる。

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