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外資が光を当てる水上メガソーラーの可能性

両面ガラスに両面発電、どんどん商品化
外資が光を当てる水上メガソーラーの可能性

水上が次の設置場所として注目されている(水上太陽光発電所専用製品)

 カナディアン・ソーラー(カナダ・オンタリオ州)は5月に、日本向けに水上設置用の太陽光発電システムを発売する。トリナ・ソーラー(中国・江蘇省)も3月末に販売を開始。いずれも太陽光パネルと必要な部材をセットにして製品化する。大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設に適した土地が減り、水上が次の設置場所として注目されている。外資の太陽電池大手2社が専用製品を販売することで、普及が後押しされそうだ。

 北米最大手のカナディアン・ソーラーは、5月にも「サンアクア」の名称で水上設置システムを発売する。水分の侵入を防ぐため表、裏の両面をガラスで覆った太陽光パネルを用意。裏面が樹脂の通常製品よりも耐久性を高めた。フロートと呼ぶ「浮き」にパネルを固定して水上に並べる。同社はフロートに加え、流されないように湖底に係留する器具なども一式で提供する。

 世界大手のトリナ・ソーラーは「トリナ・プロ」の製品名で発売した。表面は太陽光、裏面は水面からの反射光を受けて電気を作れる両面発電パネルを採用した。パネルの角度を変えられるフロートも用意しており、発電量のアップを期待できる。

 流れが少ないため池や湖などが太陽光発電の設置に適している。地上と違って整地が不要なため、工期を短くできる。設置後は除草の必要がなく保守も容易。農林水産省によると全国にため池は20万カ所ある。3月には千葉県市原市で国内最大となる1万3700キロワットの水上メガソーラーが稼働するなど、普及の兆しが出ている。
日刊工業新聞2018年4月4日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
水上は、日に当たったパネルの温度上昇を抑えます。高温になると発電が低下する太陽電池の欠点を補う効果も期待できます。それにしても両面ガラス(カナディアン)、両面発電(トリナ)と、外資はどんどんと商品化します。しかもトリナのフロートは、日本企業にトリナ専用に開発してもらったそうです。通常のパネル、汎用フロートで水上設置を提供している日本メーカーと違い、水上ソーラーにかける意気込みを外資から感じます。

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