「大飯」再稼働で関電が料金引き下げへ。他社も追随か

今夏以降に。首都圏でも新料金割引メニューもしかける?

 関西電力は14日に大飯原子力発電所3号機(福井県おおい町、出力118万キロワット)を再稼働する。4月上旬には営業運転を始める見通し。これで国内の原発稼働は九州電力川内1、2号機、四国電力伊方3号機、関電高浜3、4号機に続き6基目。関電はさらに5月中旬に大飯4号機の再稼働を控え、今夏以降にも電気料金を引き下げる方針。大阪ガスや新電力も値下げに追随すると見られる。

 大飯3号機は国内原発の中でも最大級の出力118万キロワット。関電の原発7基すべてが再稼働すると総出力657万8000キロワットとなる。関電の岩根茂樹社長は「管内の電力販売だけでなく、卸売りを含めトータルでトップライン(売上高)を伸ばしたい」と、原発が稼働した分だけ電力販売量を増やしたい考えで余剰電力販売は管外にも及ぶ。

 関電は大飯3、4号機の再稼働で月90億円の収益改善を見込む。この原資をもとに「本格運転確認後、すみやかに電力値下げを実施する」(岩根社長)。

 法人向けでは有力顧客との個別交渉を開始。家庭向けも値下げに先立ち、新電力の契約更新時期が多い4月に合わせ、新料金メニューを導入した。

 大阪ガスの本荘武宏社長は8日の会見で、関電の新料金割引メニューに対し「影響を分析中。適切に対応したい」とまずは様子見の姿勢。また大阪府民電力(大阪市西区)の野村忠司社長は「関電管内の電気料金最安値を維持し勝負する」と強調する。

 関電は管内だけでなく管外の首都圏や中部、中国地域でも法人や地方自治体向けに電力販売を始めた。首都圏は2018年度末までに10万件の顧客獲得を目指し、首都圏でも新料金割引メニューをしかけると想定される。

 関西エリアの管内企業では「電力コスト削減で競争力強化につなげたい」(大阪市内の機械器具メーカー)といった声も聞かれる。韓国などと比べ割高と言われる日本にあって、関電の動きが全国的な電力値下げ競争に影響を与える可能性もある。
(文=大阪・香西貴之)

日刊工業新聞2018年3月14日

永里 善彦

永里 善彦
03月15日
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 小泉純一郎前首相は訴える。「日本は原発をやめ、自然エネルギーを増やすべき。福島過酷事故後、電気代は上昇した。原発は非常に高くつく」。さらに「過酷事故後、電気は止まっていない。原発なしで電気は供給できる」と。だが、事故後、電力会社は止めていた旧式の火力発電を復活させて電力需要を満たし、結果としてCO2が増加した。不安定な自然エネルギーだけでは日本の半導体事業等は製造できず不利である。原発はエネルギーセキュリティを考慮すれば必要である。
 因みに東北電力の女川原発は、歴史を調査研究し、当初計画の浜辺から高台に原発を移設することにより、ツナミ被害を免れている。今回、関電は大飯原発を再稼働し、今夏以降にも電気料金を引き下げる方針だが、他の電力会社も安全・安心な原発を探求し、それを再稼働することにより安定して安い電気を供給してほしい。

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