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GEにみる五輪スポンサーの「実利」

 長野五輪を上回る史上最多メダル数に期待が寄せられるほど、大きな盛り上がりをみせているピョンチャン冬季大会もあと6日になりました。

 今回は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が、オリンピック・ワールドワイド・パートナーとして、このピョンチャン2018冬季大会をサポートしている内容を紹介する。各内容をまとめた1分弱の動画とこの動画を制作した広告会社BBDOのクリエイティブチームをGEレポート編集部が取材した制作秘話も併せて披露する。

1.EMSと最新の配電システムで、大会中の電力供給の安定化に寄与 

 今回のピョンチャン冬季大会でGEのエナジー・モニタリング・システム(EMS)は、オリンピック初導入となった。電力の送電・利用状況をリアルタイムに可視化することで、障害発生時でも素速く対応し、国際放送センターやプレスセンター、選手村を含む16カ所の競技施設での電力の安定性と信頼性向上に寄与する。

 またGEは無停電電源装置(UPS)を、国際放送センターを含むすべての施設に設置し、電力障害が発生した場合でも安定的、継続的に電力供給を可能にした。また、このUPSシステムの稼働状況を監視するために緊急電源サービスの専門家チームを配置しまている。

2.先進的な医療診断技術とアスリート・マネジメント・ソリューションでケガを予防

 超音波診断機器、デジタル・モバイルX線機器の提供だけではなく、専門的な技術者の派遣を含むGEの医療診断ソリューションは選手の健康診断時に素速く、正確な分析が提供できるように医師をサポートしている。

 今回GEは、国際オリンピック委員会(IOC)と共同で「アスリート・マネジメント・ソリューション」(AMS)と呼ぶ新たなクラウドベースのアナリティクス・ソリューションを開発した。

 このAMSは会場施設や競技種目、トレーニングの情報と、選手のケガや病気のデータといった貴重な情報を一元化。選手の健康管理と将来の大会に向けて医師による安全対策の改善に役立てることも目的としている。

3. 韓国スキー・スノーボード連盟の選手のトレーニング・リーダーシップ開発をサポート

 2016年9月、GEは韓国スキー連盟(KSA)と提携し、以来、選手への財政面また技術面の支援を行ってきた。2017年5月にはGEはクロトンビル・リーダーシップ・プログラムに基づき開発したプログラム「スポーツ・リーダーシップ・キャンプ」を韓国で初開催した。

 70名の韓国代表選手とコーチにグローバルリーダーとしての理解を深め、リーダーシップ開発を支援した。またPredixを活用して選手のトレーニングをより効果的に実施している。
GE REPORTS JAPAN
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
マクドナルドをはじめ国際オリンピック委員会や米オリンピック委員会のスポンサーを降板するケースが相次いでいる。個者の事情もあるがリオ五輪の視聴率が良くなかったといわれている。一方でGEなどのBツーB企業は自社サービスに直結しやすい。2020年の東京では日本企業が数多く関与する。パナソニックなどは「今の受注レベルで1000億円は間違いなく取れる」とみる。「賢い」スポンサーはどこになるだろうか。

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