アマゾン、スマートスピーカー向けのAI半導体を開発か

音声でより素早く回答、電力消費も低減へ

 米アマゾンがスマートスピーカー「エコー」をはじめとするハードウエア向けに、人工知能(AI)チップの開発に取り組んでいると報じられた。現在、音声アシスタント「アレクサ」のデータ処理はクラウドのサーバーに依存している。それをある程度、エコーの端末側で行えるようにすることで、音声アシスタント「アレクサ」による素早い応答と、効率化による消費電力低減が狙いとみられる。

 テクノロジーニュースサイトThe Information(ジ・インフォメーション)が関係者の話をもとに報道した。アマゾンはこの件にコメントしていない。

 ほかのスマートスピーカーと同様に、エコーではインターネット経由でクラウドのサーバーにユーザーの質問データを送信。質問や命令の内容をそこで分析・処理した上で、音声で適切な回答を返したり、メッセージ送信や家電操作などの命令を実行したり、といった一連の作業を実行する。

 それに対し、端末側にAIの専用チップを組み込み、クラウドとのデータのやり取りを減らして処理を高速化すれば、回答を返すまでの時間が短くできる。そうなれば、ストレスをあまり感じることなく、買い物も含めてユーザーがスマートスピーカーをより頻繁に使うようになるかもしれない。

 一方で、エコー以外に、アマゾンのクラウドへの自社開発AIチップの実装も想定される。アマゾンは米エヌビディアのGPUをクラウドでのAI処理に活用するが、グーグルは自社開発のAIプロセッサー「TPU」をクラウドに導入し、検索や翻訳、画像認識といったサービスの効率化に役立てている。

 AI処理用の半導体をめぐっては、IT大手による端末向けチップの自社開発も加速している。アップルはGPU機能も含めた形で「A11バイオニック」プロセッサーを自社開発し、iPhone 8/8 Plus/Xでの画像処理や顔認証などに利用。グーグルの最新型スマートフォン「Pixel 2」にも、画像処理や機械学習をこなす自社設計の専用プロセッサー「Pixel Visual Core」が搭載されている。

2018年2月18日付日刊工業新聞電子版
The Information

藤元 正

藤元 正
02月18日
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この件を「アレクサ」に聞いてみても、まっとうな返事は期待できないだろうが、IT大手による半導体開発は最近の大きなトレンドとなっている。背景は3つ。自社(あるいは買収先)の技術やノウハウを組み込みながら、半導体も含めた形でライバルの製品やサービスと差別化するため。他の2つはコストダウンと環境上の制約だ。AIの爆発的普及でサーバーの数だけでなく、消費電力もうなぎ登りになると予想される中、その処理の効率化が今後大きな課題となっていく。

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