自動運転実証で北海道が熱い!

テスト誘致・安全走行で新技術

 北海道で自動走行の研究開発に関連した動きが活発になってきた。道内の産学官が連携し、実証実験に関する道路情報などを提供するほか、積雪時における自動走行技術の研究開発にも取り組む。自動運転技術は新産業として注目されており、北海道にとっては寒冷地などの特徴を生かせるとみている。

 北海道は広大な土地や積雪などさまざまな道路状況を経験できることから、全国最多の28テストコースが立地する。その特徴を生かそうと、北海道など道内の産学官が連携し、2016年6月に「北海道自動車安全技術検討会議」を設置した。北海道が一元的な受付窓口となり、公道での実証試験手続きの負担軽減やニーズに対応した道路に関する情報でも支援する。17年12月現在で公道の実証試験などに関して計61件の相談実績も残した。3月中旬には適地情報をまとめたデータベースの提供も始める予定だ。

 道内産学を中心に、積雪寒冷地に対応した自動走行技術の確立も目指す。北海道大学の江丸貴紀准教授やアーク・システム・ソリューションズ(札幌市中央区)が、積雪で道路の白線や標識が見えない状態でも走行できる技術を開発する。ヴィッツ(名古屋市中区)やヤマハ発動機なども協力する。

 自動走行技術の主流はダイナミックマップだが、降雪により標識などが雪で覆われると地図情報と異なることで対応が難しい。今回、周囲360度カメラなどを搭載した実験車両を活用し、新たな画像処理技術や人工知能(AI)技術を用いて積雪の道路でも自己位置を推定する技術を実現する計画だ。アーク・システム・ソリューションズの坂本謙治社長は「ダイナミックマップと、今回開発する技術を連携させることで自動走行技術を向上させたい」と話す。

 北大などの取り組みは、経済産業省の17年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)に採択された。実証実験の場所選定では同会議の相談窓口を活用した。北海道苫小牧市や苫東(苫小牧市)の協力を得て、工業地域の苫小牧東部地域で実施する。

 北海道経済産業局地域経済部の近江栄治情報・サービス政策課長は「(自動走行技術開発の)コンソーシアムができたのは心強い。研究開発の積み重ねが、将来的な道内への研究拠点の集積にもつながる」と期待する。
(文=札幌・山岸渉)

日刊工業新聞2018年2月8日

三苫 能徳

三苫 能徳
02月09日
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「北海道は広大な土地や積雪などさまざまな道路状況を経験できることから、全国最多の28テストコースが立地する。」

寒いだけでなく、広いのが強みですね。沖縄でも温暖な環境下での耐候試験をやったりしますし、“平均的でない”というのは課題にもなるが、うまく生かせば強みにもなる。

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