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マーガリン安全性訴え 雪印メグミルク、水素添加油脂ゼロに

消費者の買い控えに響くか
 雪印メグミルクは1日、家庭用マーガリン類のすべてを、部分水素添加油脂不使用タイプに3月から切り替えると発表した。消費者の安全志向や、6月から米国で実施される水素添加油脂の食品使用禁止規制に対応する。

 水素添加油脂を使わないとマーガリンの風味の良さ、ぬりやすさなどが損なわれる問題点を、独自の乳化技術と結晶化制御技術で解決した。水素添加油脂不使用で消費者に安全性を訴え、落ち込みが続くマーガリン市場をてこ入れする。

 水素添加油脂は2003年に世界保健機関(WHO)が、トランス脂肪酸と心臓疾患に相関関係があると指摘したことを機に表面化。トランス脂肪酸の形成に水素添加油脂が深く関わっている可能性が高いとして、米国食品医薬品庁(FDA)が15年6月に、同油脂を安全リストから外すと公布した。

 日本では規制はまだないものの「消費者にマーガリンがトランス脂肪酸を多く含む食品のイメージが広がり、買い控えにつながっている」(雪印メグミルク)。不使用をPRする方が中長期的に得策と判断した。
日刊工業新聞2018年2月2日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
難しそうな単語が出てくると理解できず危険な印象を持ってしまいますが、農水省のサイトには心臓病予防にはトランス脂肪酸だけに着目するのではなく、食塩や脂質の取りすぎ全体に注意すべきとあります。

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