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CO2削減に実績のあるリコー、今度はサプライヤーの新電力切り替えを支援

サプライチェーン全体で環境負荷を低減する
 リコーはサプライヤーの新電力への切り替え支援を始めた。二酸化炭素(CO2)の排出を抑え、コストも低減できる電気を扱う新電力を紹介する。2016年度に試行して290トンのCO2削減の実績が出たことから、19年度には16年度比10倍の削減支援を目指す。低炭素化と低コスト化の両立で中小規模サプライヤーの経営基盤強化に貢献し、リコーも部品の安定調達につなげる。

 リコーは16年度、サプライヤー4社の新電力への切り替えを支援した。4社の従業員は最大160人、最小16人。CO2排出を合計290トンを減らし、電気代を平均約10%削減できた。17年度は1社が切り替えを決め、現在は6社が検討している。中小企業ほど専門部署がなかったり、本業で忙しくて手が回らなかったりして、新電力の電気代やCO2排出係数を比べるのが手間となっている。また、電力購入量が少ないと、新電力から見積もりも出してもらえない場合もある。

 リコーは工場や事務所などグループ100拠点の電力購入先を見直し、排出を1万3000トン抑制した実績がある。CO2と電気代の削減を両立できる新電力の情報を蓄積しており、中小サプライヤーにも提案できる。

 リコーは17年4月、50年にCO2排出をゼロにする環境目標を設定し、サプライヤーのCO2削減支援も目標とした。国内サプライヤーは高級機種の部品製造を担っており、経営基盤が強化されるとリコーも継続的に部品を調達できる。コニカミノルタもサプライヤーの環境活動を支援しており、サプライチェーン全体で環境負荷を低減する取り組みが広がっている。
 
日刊工業新聞2017年1月25日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
 CO2低減と節電を両立できる電気メニューは、なかなか少なそうです。また地域によっては新電力が少なく、選びようもない企業もいるはずです。そう考えると、100拠点の切り替え実績があるリコーの情報は重宝されると思います。

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