豊田自動織機のフォークリフト用電池、自動車でチャンス

大西社長に聞く「おもしろいものができそうだ」

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大西朗社長インタビュー
 ―トヨタ自動車が電気自動車(EV)を企画・開発する社内ベンチャー組織「EV事業企画室」に参画しています。
 「EVには短いタームで変わっていくのではなく、インフラや資源の確保、コストなどの問題がお客さまやマーケットに受け入れられるといった大きな流れのスパンの中でとらえなければならない。その備えをしっかりする」

 ―電動車向けの製品開発に積極的ですね。
 「カーエアコン用の電動コンプレッサーを2025年をめどに現状から半分のサイズにする新製品も、電動化への対応。EVになると軽量化や小型化が求められる。コンプレッサーやインバーター、コンバーターのほか、フォークリフト用につくっている電池も研究開発の対象になる」

 ―内製しているリチウムイオン電池の特徴は。
 「特に使用環境が厳しいところで評価され、実績もある。フォークリフト向けとクルマ向けは要求スペックや環境が異なる。ただ、フォークリフトで培った電池の研究開発を進めてきたら、クルマ向けでもおもしろいものができそうだと。それならクルマ向けも研究開発をしようとなった」

  ―トヨタからのディーゼルエンジンの移管状況は。
 「予定通りで、開発部門を手始めに豊田自動織機に寄せていく計画を粛々と進めている。ディーゼルエンジンがすぐになくなる訳でもなく、大型のスポーツ多目的車(SUV)なども需要が大きい。ディーゼルもトラックなどの商用車、大型SUVなどに集約されていくのは正しい選択で、心配していない」

 ―物流ソリューション事業では17年に欧米2社を買収しました。
 「米バスティアン・ソリューションズ、オランダのファンダランデ・インダストリーズ・ホールディングと3社でワーキンググループをつくっている。当社はフォークリフトの分野で、ファンダランデは空港や物流倉庫の分野でそれぞれのブランドで入っている。顧客の共有や、トヨタグループの一員として買収先の信用力向上、技術領域など、中長期で相乗効果が期待できる」
(聞き手=今村博之)

日刊工業新聞2018年1月18日

COMMENT

EVなどの電動車への対応を部品メーカーも迫られる中、豊田織機はフォークリフト用の研究開発で約10年の実績がある電池にも目を向けた。トヨタとパナソニックが車載電池で提携強化を検討している枠組みへの合流にも意欲的。ハードルは高いが、新たな挑戦が他の製品開発や事業にも活力を生みそうだ。 (日刊工業新聞名古屋支社・今村博之)

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