銅と黒鉛の複合材、次世代パワー半導体の放熱基板に

アカネが開発、熱伝導率2倍超

 アカネ(広島市安芸区、砂本健市社長)は、熱伝導率が銅の2倍以上と極めて高い、黒鉛と銅からなる複合材を開発した。ハイブリッド自動車(HV)や電車などに使われる次世代パワー半導体の放熱基板としての用途を想定し実用化を進める。

 開発した複合材の熱伝導率は平均800ワット/メートル・ケルビン以上。銅が398、ヒートシンクの材料になるアルミニウムが236なのと比べても高い。シート状炭素分子が層状に積み重なった「鱗片(りんぺん)状黒鉛」と呼ばれる天然黒鉛をベースとし、その黒鉛の鱗片を銅でくるんだ構造を持つ。銅の含有率は体積比で12・5%。

 自社で開発・販売する「多軸通電焼結機」を用い開発した。通電加熱と加圧を違う方向から行うため、焼結時の製造条件を最適化しやすい。黒鉛鱗片の向きを整えて不純物を取り除く前処理とも合わせ、800台の熱伝導率の焼結品を安定的に作れるようになった。

 また冷却と加熱を数百回繰り返すと熱伝導率が低下する熱サイクルの問題も解決した。

 アカネは2014年度から3年間、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の補助金を得て、ひろしま産業振興機構(広島市中区)などと協力し今回の複合材を開発してきた。
開発した銅と黒鉛の複合材(左上)とその走査型電子顕微鏡(SEM)写真

日刊工業新聞2018年1月15日

明 豊

明 豊
01月21日
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HVの電力変換装置(パワーコントロールユニット)などのキーデバイスであるパワー半導体はシリコン製が主流。だが次世代パワー半導体は、より効率の高い炭化ケイ素(SiC)が使われる。シリコンより高温で動作するため、より高性能な冷却装置が求められている。

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