なぜ日本の医療機器メーカーは国際競争力が劣るのか

経産省が国際戦略など検証

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GEの医療機器
 経済産業省は、医療機器産業の競争力を強化するため、今後の施策の方向性を3月にもまとめる。医療機器市場は成長が見込まれる一方で、特に治療分野では上位を欧米メーカーが占めている。日系メーカーが高い付加価値を生み出すための事業戦略を検証し、施策に反映する。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査によると、日系メーカーは、内視鏡や磁気共鳴断層撮影装置(MRI)など、診断機器の分野では一定の世界シェアを持つ。ただ、人工関節や放射線治療装置、腹膜透析装置など、治療機器では欧米メーカーが高いシェアを誇る。

 このため治療分野を中心に国際競争力を高められないか検討する。あわせて医療ニーズや、技術シーズで重点的に取り組むべき分野について議論し、見定める。

 例えば医療ニーズでは、患者への身体的な負担が小さい低侵襲での治療や、高齢化に対応した機器などがテーマとして出ている。

 ベンチャー企業(VB)がイノベーションを生み出すための仕組み作りも検討する。米国の大手企業では、自社製品の延長ではない機器に取り組む場合、開発リスクを避けるため、有望な技術や製品を持ったVBを買収し、大手企業が量産して販売する傾向が強まっている。

 このため日本における医療系VB人材の育成や、ネットワークをどのように構築できるかなども検討する。

(2018/1/15)

COMMENT

村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

欧米の医療機器メーカーでは、ベンチャーが開発し、ファンドが育て、大手が市場化するという、エコシステム(生態系)ができあがっており、今のイノベーションの潮流でもある。一方、日本ではこうした成功モデルに乏しいのも、日本に安定した市場があり、自社の強みを磨くことが成長の要因だったからだ。他産業でも言われてきたことだが、強い“自前主義”からの脱却が技術革新のカギと言える。

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