野村が中堅企業の事業承継支援で1000億円ファンド

オーナーの悩みに解決策を示すと永井CEO
 野村ホールディングスの永井浩二グループCEO(最高経営責任者)は日刊工業新聞社のインタビューに応じ、2018年1月に新設するマーチャント・バンキング部門について「事業承継に悩む中堅企業のオーナーの相談が増えている。こうしたニーズに応えるソリューションとして提案していきたい」と述べた。同部門はファンドによる投資を通じ、事業再編や事業承継などを支援する。野村が全国に持つネットワークを活用し、中長期の視点で投資案件を発掘する考え。

 マーチャント・バンキング部門では最大1000億円規模のファンドを立ち上げ、大企業の事業再編や中堅企業の事業承継などの案件に投資する。原則、オークション(入札)形式ではなく、顧客から寄せられた相談をベースに投資案件を発掘していくという。

 事業再生などを目的とするファンド事業は競合も多い。ただ、永井グループCEOは「当社は上場企業に加え、地方の中堅企業オーナーと密なリレーションを構築している」とし、案件発掘における強みを強調。今後は営業部門、ホールセール部門など他部門との連携も進めながら投資を進めていく。

日刊工業新聞2017年12月29日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

企業再生ファンドに持ち込まれる案件で事業承継が増えているのは間違いない。そして中堅企業の場合、交渉時に大きな壁になるのが価格だろう。未公開で事業承継に課題を抱える企業の多くは、経営者が高齢化し成長が止まっている。ところが売却交渉になると、現在の企業価値以上の値段を要求してくる例も多い。日本で事業承継関連の再生案件をこなせるファンドの数はまだそれほど多くないと思う。民間ファンドに資金が流れる仕組みも欠かせない。

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