村田製作所の全固体電池、まずはウエアラブル市場を席巻できるか?

「(競合他社より)エネルギー密度の高いものになる」(村田社長)

 村田製作所の村田恒夫会長兼社長は28日、2019年の製品化を目指す全固体電池が「(競合他社より)エネルギー密度の高いものになる」との見通しを示した。ヘッドマウントディスプレーや腕時計型デバイスなど比較的消費電力が高いウエアラブル端末向けを想定。主流のリチウムイオン二次電池から置き換えを狙う。

 世界シェア首位の積層セラミックコンデンサーの技術を使う。セラミックス技術を生かした全固体電池はTDKが18年4月の量産開始予定で通信機器などを狙うが、村田はウエアラブル端末向けで差別化する。トヨタ自動車が20年代前半の実用化方針を示すなど全固体電池は車載用途が注目されるが村田は車載以外に照準を定める。

日刊工業新聞2017年12月29日



中国でスマホ用電池を増産


 村田製作所は11月30日に東京都内で投資家向け説明会を開き中国でスマートフォン向け二次電池の増産を図る方針を示した。規模は明らかにしていないが、リチウムイオン二次電池を生産する中国工場(江蘇省無錫市)で新棟を数年内に建設する。同時にシンガポール工場も産業用を含む二次電池の増産体制を整える。同社は電池事業で今後2―3年で500億円規模の設備投資を計画する。村田恒夫会長兼社長は「電気自動車(EV)市場の拡大もあり、旺盛な需要で売上高10%の成長を見込む」と述べた。

 中島規巨取締役専務執行役員は「(増産体制の整備を)この1年で加速させる」と、買収前のソニー時代とは一転し、電池事業への積極投資を強調した。

 一方、2019年に製品化を目指す全固体電池について、当面はウエアラブル機器向けを中心にリチウムイオン二次電池からの置き換えを狙う。電池メーカー各社が車載向けを見据えて全固体電池の開発を急ぐ中、「全固体と車載向けは別のアプローチで行う」(中島取締役)とした。車載向けは一般的な円筒型でなく、同社が強みとする薄型の技術を有効活用する。

日刊工業新聞2017年12月1日

尾本 憲由

尾本 憲由
12月30日
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積層セラミックコンデンサで世界トップの村田製作所だが、その契機となったのが1970年代の“角丸戦争”。角形と丸形が業界標準を激しく競い、村田製作所の角形が勝利をおさめた。電池の世界でもそのような波乱を巻き起こせるのか?ウエアラブル向けがその前哨戦となりそうだ。個人的には、愛用している腕時計型活動量計の充電間隔がもっと長くなれば良いのにと願っています。

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