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空気圧でやさしくつかむ4本指ハンド、立命館大が開発

約100グラムのものを把持可能
空気圧でやさしくつかむ4本指ハンド、立命館大が開発

空気圧を使い柔らかく曲がる4本指でやさしくパンをつかむ

 立命館大学理工学部の平井慎一教授らは、空気圧で柔らかく曲がる4本指ハンドを開発した。指の背面に複数の空気室を並べ、空気圧で空気室を膨らませて指を曲げる。樹脂を成形するだけで曲げ機能を実現できるため、安価に生産しやすい。弁当工場でハンバーグや肉団子などの不定形で柔らかい食材の把持に提案する。

 中空の樹脂材の背面に空気室を並べた構造を採用した。空気を送り込むと空気室が膨らみ、空気室のない側に指が曲がる。4本指で約100グラムのものを把持できた。指を曲げた状態で成形すれば、空気を送り込んで指をより深く曲げたり、曲げた状態から伸ばしたりできる。指の背と腹の両方に空気室を成形すれば曲げ伸ばしも可能。把持する対象に応じて樹脂の柔らかさを調整する。対象の形がふぞろいでも指が対象物にならって密着する。

 センサーなど高度な機構は不要。空圧ラインがある工場なら大きな設備追加なしに活用できる見通しだ。消耗品として指ごと取り換えられ、消毒や化学薬品で劣化する用途に向く。

 将来はゴム手袋と同等の価格帯での量産も想定する。共同研究先と実証実験を進め、2020年までに生産ラインへの導入を目指す。

日刊工業新聞2017年12月28日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
なぜ今までなかったのか、不思議になるくらいシンプルな構造です。安価で衛生的なので用途拡大が見込まれそうです。

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